Eichler Homes

「理想の住まいを探して」アイクラー・ホームズ
1999年に日本語で発行された当時に買いました。クロニクルブックスというSFの秀逸な出版社が出した素晴らしい本を日本語で出版したという、今は絶版、ほんとうに貴重です。
色んなコトに影響を受けてきた私ですが、これが価値観のルーツですね。だから大事に置いています、この本も自分への影響の事象も含めまして。
第二次大戦後、アメリカと言えど戦地からの膨大な数の若い兵士の帰還は平和を求める民衆の本能とともに暮らしを構成する、つまりアメリカにもあったbaby boom、大量に家を必要とする時代の到来、しかも対象は若いから安いことが前提にもなる、そしてモダンで新しい時代を感じさせること、ここの下の方にある募集のパンフレット、この当時のものですが、当時の日本の為替レートで言えば360円の固定レート、それにしても1千万しない、50年以上前のアメリカにしてもリーズナブルであったのです、当時はなかった、工場で作ってる部品を使う家、つまり大量生産が前提、だから安くは出来る、土地は広大なカリフォルニアにして、何もないところだったからこれも安かったはず建売住宅。イームズの家も基本はそうでした、工場で作る家。つまりケーススタディハウスにつながる、あれは建築家これはセンスが抜群にあった建売業者、違うのはEHはエリアを開発してパターンを作ったモデルの中から部屋数や予算に応じて選んでもらい、街が出来るという開発形態、未だに日本の住宅開発ハウスメーカーのお手本でもあると言えます。何が違うか、ジョセフ・アイクラーは建売の不動産業者であったが、デザインに対する街づくりに対する決定的にこだわった思想を持ち合わせていたということです。だから今も街として残り、価値は数十倍にもなり高級住宅地となって、代替わりした住まい手のセンス良いリノベーションと共に現在を過ごしています。
あまりに影響を受けすぎて、サンフランシスコからロサンゼルスに点在するアイクラーの作品をレンタカーで見て歩いたことがある、下の方の写真、結構な数の住宅がまだ残っている。
アップルの創業者でスティーヴ・ジョブスという人がいます、彼の家はアイクラーではなかったが周辺にアイクラーの家が点在していた、クパチーノという今やシリコンバレーの中心を成す伝説の街、そこにあった。アイクラーの家々がデザインと暮らし方の憧れであって、自分の成り立ちに大きな影響を与えていると著書で言っていました、有名なWHOLE EARTH CATALOGUEの最終章の言葉、STAY HUNGRY STAY FOOLISHの言葉以上に。この言葉はさもスティーヴの言葉のように言われているが、実はWHOLE EARTH CATALOGUEが絶版するときの巻末のフレーズだったのです。戻って、それ以上にデザインというかライフスタイルに影響を受けたのがアイクラー・ホームズの家々だったのですね。スタンフォード大学という今や実利全米ナンバー1の大学があるのもこの街です。
ま、アウトラインはともかくとして、とにかく住宅、住居に関して私はこの平屋の水平な家や、ミッドセンチュリーの要素、イームズ、ネルソン、サーリネン、ベルトイア、リゾム、ノグチと共に、私の価値観の根幹に影響しています、なぜか、住まいやすいということとアーティスティックという要素が前提を構成しているからです。
アイクラー・ホームズ ラブ。

PHOTOS: EICHLER HOMES Design for Living and MWL STORE ARCHIVES