急須展御礼。

いつもありがとうございます。
お陰様で昨日20日を持ちまして「春の急須展」を、つつがなく終了させていただきましたことをご報告させていただきます。
期間中は沢山のお客様にご来店いただきましたこと、色んな新しいご縁もありましたこと、色んなお客様にお教えいただきましたことを大変嬉しく思っております。また急須展の開催にあたりましては関係者の皆様にも大変なご協力をいただきましたことをこの場をおかりしまして心から感謝とお礼を申し上げます。
私どもはまだ始まって9ヶ月ほどでございます、まだまだ未熟でございます。
これからも学びを続けて、丁寧に、豊かな背景を持つこの石川町の地元で愛されるお店を目指して、さらに新しい提案を行ってまいりたいと思っております。
これからもご贔屓のほどを何卒宜しくお願い申し上げます。

石川町 MWL STORE 店主敬白

UMAMI

北龍・梅原タツオさんの急須。
世界の食の先端では日本の「うまみ」に気づき始めている人たちがいます。簡単に言えばお出汁の文化、日本人の好む、昆布や鰹節に似たアミノ酸的な味が由来する味のことですね、欧米の人はそれを日本の独特の味覚として好きと嫌いに大きく別れてしまうのが今までで、むしろ好きじゃないが多いようにも。「うまみ」という言葉、例えば英語にそれを直接的に訳す言葉はありませんでした。それが今やUMAMIというそのままの解釈で言葉になり、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンでひとり歩き始めています。顕著な例としてはUMAMI BURGERや日本式ラーメンの人気などがあります、もろろん寿司や日本食そのものの人気も、そこでは欧米の人が今まで日常の中であまり感じていなかった、「うまみ」に注目が集まっています。うまみがうまいと感じ始める人がたくさん出てきたということです。うまみとはお茶の成分でいうとテアニンというもので、それは60〜70度ぐらいの湯温としては比較的低温で出てくる味の成分、これこそが日本の味覚の感性というものです。茶の成育段階においても特別な方法を採ることによってそれを高めることが出来ていて上級な日本茶の成育の手法です。それが日本の緑茶の価値観を構成しています。
つまり、それに気づき始めた前出の欧米の先端都市の人々であるわけです。正確には肉のうまみやラーメン、寿司のうまみとは異なるお茶のうまみであるわけですが、お茶のうまみは植物性由来のうまみであるが故に繊細で奥深い「うまみ」がそこにあります。茶の中でも煎茶に多くある「うまみ」の世界。日常にあるとても繊細な煎茶のうまみ、やっと欧米の人たちが気づき始めたのです。それはお茶の作り手の人たちが日々丹精込めた土や環境、天から与えられしもの、日頃の手入れから生まれて、正しく製品にされて行く、日本独特の品質や生産者の方々の真面目さがあることを忘れてはなりません。
そして最終テーブルの上にある美味しいお茶を構成するのは、「水・葉・茶器」です。
そういう意味で、この梅原タツオさんの急須は美味しいお茶を淹れるためのスタンダードであり、不可欠な構成要因であるわけでございます。(SOLD OUT)

急須展は明日まで。
MWL STORE made with love

PHOTOS:MWL STORE

南景製陶園

三重県四日市を発祥とする萬古焼(ばんこやき) 南景製陶園さまは急須を主に製作されています。言わば急須のスペシャリスト、鉄分の多い土を使っています。急須の窯元さまは独特で高度な技術が必要です、自ずからそれぞれの窯元さまにはいろんなこだわりがあります、土であったり、サイズであったり、形であったり、茶漉しであったりと、急須を使いいただくのが嗜好品としてのお茶でありますので、色んな思いが急須に入ってまいります。
南景さまの特徴は内側に釉薬せず、急須素材としての土の特徴を生かしてお茶をいただくという考え方です。形、考え方として茶葉(ちゃよう)煎茶急須としての標準として位置づけられる、そのように解釈いたしております。サイズも2つございます。いろんな急須の飲み方をお試しいただくのが一番と考えております。それで味も変わります、そこに日本茶文化の楽しみがあります。茶葉とて同じです。深く広い、日本茶の世界。今日を入れてあと4日間の急須展でございます。本日もオープンいたします、どうぞよろしくお願いいたします。

京浜東北根岸線、横浜から数えて、桜木町、関内、石川町と三つ目の駅の一番前の出口降りていただき、階段おりてすぐ右の改札を出て道路を左へ、そこがリセンヌ通り、駅から40秒。
急須展が終わると、さらに新しい春の提案が来る MWL SOTRE です。

一里塚本業窯の麦藁手

常滑などと共に六古窯の一つに数えられる瀬戸。
瀬戸もの・一里塚地区にあるため一里塚であって、瀬戸で代々作られてきたものを作っているので本業であり本業の窯という意味です。この模様は「麦藁手(むぎわらで)」茶碗などに縦に線条を何本も引いた模様のあるものを言います。内にも外にも線を引くというよりも片方の方が全体のバランスを見た時にデザインとしての完成度はいいと僕は思っています。LESS IS MORE 素朴が極まっています、しかしながら絵柄の線引き模様は難しく、まさしく熟練した経験が必要であり、その熟練具合により1日に何個を描けるかということになります。日常使いの瀬戸民藝の歴史が残る作品。そのため分業になっているところが多いようです、必然的にそうなるようにも思えてきます。ろくろはろくろで、絵付けは絵付けという風に、素材の土も赤っぽいものをよく見ます、やはり採れる産地の影響ですが、ここ一里塚はこのように白いです、しかも美しい白さ、肌白に乗る綺麗な色と線は歴史のある、ほっこり系の代表柄から、モードな表情すら漂わせているように僕は解釈しています。そして一里塚の特徴として、すべての工程を一人でこなしておられます、「水野雅之」さんです。分業でなく一人でこなす特徴は一人の意思が作品として入り込み完成されます、一人の人の心が入るということ、少なくともろくろの工程と、線引きの中心に線を集めるこの難しく、息を呑むような工程に。この器への魂が注入される、そのように思えてならないのです。素朴な「むぎわら」を思わせる伝統柄が時代を超えてモードになる瞬間を見ました。今現在を作陶されている作家さんを大事に紹介してまいりたい、そんなあれこれを思うと決して高い価格のものではない、むしろ価値が価格を超えている作品(製品)だと思うのです、数年で満足なものは作れませんからね、今時そんなものなかなかない、それこそが民衆の芸術たる伝統なのかなぁと、僕は解釈しています。
とにかくろくろの上手さは傑出されています。

この小さな湯呑み、くびれが手に持つとしっくりときて、美しい表情になっています。

青と赤を軸とした線を描く、若い二人がスタートする民藝使いには最適と思い、お取扱いさせていただきました。民藝の中でも伝統的でありながらも今を感じさせる模様といいますか、馬の目もそうですが一里塚さんはなんかそれを感じさせて下さいますね。和柄なんだけど北欧っぽい、絵付けの到達点なんでしょうか。自分が少年・少女であった頃のグラフィックスを想う、ような色であり素朴で純粋な絵柄を二人のスタートで使うってのは大事なんだよなぁ。。。

PHOTOS:MWL STORE

Eichler Homes

「理想の住まいを探して」アイクラー・ホームズ
1999年に日本語で発行された当時に買いました。クロニクルブックスというSFの秀逸な出版社が出した素晴らしい本を日本語で出版したという、今は絶版、ほんとうに貴重です。
色んなコトに影響を受けてきた私ですが、これが価値観のルーツですね。だから大事に置いています、この本も自分への影響の事象も含めまして。
第二次大戦後、アメリカと言えど戦地からの膨大な数の若い兵士の帰還は平和を求める民衆の本能とともに暮らしを構成する、つまりアメリカにもあったbaby boom、大量に家を必要とする時代の到来、しかも対象は若いから安いことが前提にもなる、そしてモダンで新しい時代を感じさせること、ここの下の方にある募集のパンフレット、この当時のものですが、当時の日本の為替レートで言えば360円の固定レート、それにしても1千万しない、50年以上前のアメリカにしてもリーズナブルであったのです、当時はなかった、工場で作ってる部品を使う家、つまり大量生産が前提、だから安くは出来る、土地は広大なカリフォルニアにして、何もないところだったからこれも安かったはず建売住宅。イームズの家も基本はそうでした、工場で作る家。つまりケーススタディハウスにつながる、あれは建築家これはセンスが抜群にあった建売業者、違うのはEHはエリアを開発してパターンを作ったモデルの中から部屋数や予算に応じて選んでもらい、街が出来るという開発形態、未だに日本の住宅開発ハウスメーカーのお手本でもあると言えます。何が違うか、ジョセフ・アイクラーは建売の不動産業者であったが、デザインに対する街づくりに対する決定的にこだわった思想を持ち合わせていたということです。だから今も街として残り、価値は数十倍にもなり高級住宅地となって、代替わりした住まい手のセンス良いリノベーションと共に現在を過ごしています。
あまりに影響を受けすぎて、サンフランシスコからロサンゼルスに点在するアイクラーの作品をレンタカーで見て歩いたことがある、下の方の写真、結構な数の住宅がまだ残っている。
アップルの創業者でスティーヴ・ジョブスという人がいます、彼の家はアイクラーではなかったが周辺にアイクラーの家が点在していた、クパチーノという今やシリコンバレーの中心を成す伝説の街、そこにあった。アイクラーの家々がデザインと暮らし方の憧れであって、自分の成り立ちに大きな影響を与えていると著書で言っていました、有名なWHOLE EARTH CATALOGUEの最終章の言葉、STAY HUNGRY STAY FOOLISHの言葉以上に。この言葉はさもスティーヴの言葉のように言われているが、実はWHOLE EARTH CATALOGUEが絶版するときの巻末のフレーズだったのです。戻って、それ以上にデザインというかライフスタイルに影響を受けたのがアイクラー・ホームズの家々だったのですね。スタンフォード大学という今や実利全米ナンバー1の大学があるのもこの街です。
ま、アウトラインはともかくとして、とにかく住宅、住居に関して私はこの平屋の水平な家や、ミッドセンチュリーの要素、イームズ、ネルソン、サーリネン、ベルトイア、リゾム、ノグチと共に、私の価値観の根幹に影響しています、なぜか、住まいやすいということとアーティスティックという要素が前提を構成しているからです。
アイクラー・ホームズ ラブ。

PHOTOS: EICHLER HOMES Design for Living and MWL STORE ARCHIVES

 

伊藤雅風

急須展もあと余すところ今週の木曜日〜春分の日の月曜日までです。
お店には急須に対するお客様からのご質問も多く、改めて急須に関するご興味をお持ちの方が多いのに驚かされています、やはり美味しいお茶を正しくいただきたいという、お気持ちの表れだと思っています。
急須展をやった成果にもつながっています、コトを大事にモノを丁寧にご紹介させていただきますね。
これからも正しい知識をご案内させていただきます。その為には日夜の勉強を、、、身を引き締めています、昨日も午前中はスタッフでお茶のセミナーに行っておりました、思い込みでない正しい知識を常にバージョンアップしておくことが重要ですね。ソフトと同じです。いくつになってもベンキョーだけが人生を美しくします。

伊藤雅風さんの急須、僕は今回の急須展の雅風さんの作品の中ではこれが一番のお気に入りです、佇まいがいい、ポッテリしていて可愛さがありながらも気高い表情、素材もこの砂が混ざっているのが好きです。
茶漉しの網も一つ一つ自分で穴開けておられます。

煎茶工芸の美と伝統、三代目 片山白山

片山白山さんの、絞り出しのセット。絞り出し、湯冷まし、湯呑みから成り立っています。セットで持つ意味があります。昔から常滑で使われている白泥(はくでい)と呼ばれる白い土を使っています、それに対して海に近い常滑特有の技法、藻掛け、海で取れる藻を使った表現です、とても難しい焼きなのですが、なんともアーティスティック且つ繊細な表情が出ています。熟練の技術が成せる技です。

PHOTOS:MWL STORE