秋の急須と酒器展のご案内③

10月26日(木)〜11月26日(日)まで、急須展が始まります、
それに向けて出展する急須作家さんの作品を事前にご紹介させていただきます。

本当に美しいマイ急須と出会う、嗜好品としての「茶」産地やそれをお作りいただく農家さんまで思いを馳せ、開いた葉が醸す味の隅々まで味わうのが煎茶、日本人の繊細な感性や茶道が日常に飲む煎茶にも他の嗜好飲料と異なる道を開きました。飲んできた歴史、道として高めてきた歴史が違います。日本茶は日本で進化した。
繊細な感性が辿り着く嗜好品、それは普通の日常に寄り添う煎茶にありました。いいお茶にはいい急須を。

山田勇太朗さん
海が近い常滑の伝統的技法の藻掛けを用いた急須を作っているのは25歳、この世界としてはかなり若い作家さんになります。土作りから始めて、伝統と向き合う、将来がとても楽しみであり、すでに魅力的な感性をお持ちです。

経歴
1992年 愛知県常滑市生まれ
2010年 常滑高校セラミックアーツ科 卒業
2014年 大同大学工学部 都市環境デザイン学科 卒業
2017年 常滑陶の森陶芸研究所 終了
家業である植木鉢の製陶所では職人仕事をし、並行して急須の作陶を行っている
常滑で将来を期待される若手作家さんです。

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湯町窯のスリップウエア

湯町窯のスリップウエア・フェザーコームのマグカップ入荷しています。(矢羽根模様/やはねもよう)
スリップウエアの始まりはメソポタミア文明を起点として、中東、中国、欧米など世界で焼かれた陶器の上に自然環境の動物や自然にある文様を手や道具により描き込んだものあるいはスポイト状のもので書き込み焼き上げたものです。その中でも17世紀のイギリスで作られたものがその名称で広く知られることになりました。手法としてはシンプルで作り手の特徴がとても出やすいものとなります。17世紀に始まり19世紀末には途絶えていた技法としてのスリップウエアをイギリスで再度蘇らせたのがバーナード・リーチの工房です。一方日本に於いてリーチはイギリスにおける特徴としてのガレナ釉の色を、島根県出雲地方の布志名焼(ふじなやき)などで使われていた黄色の釉薬に発見します。そして1931年の民藝思想の全国への普及伝播において「島根県工藝診察」と称した柳宗悦らの松江の工藝品視察を皮切りに以後、湯町窯を訪れていたのが、バーナード・リーチ、濱田庄司、河井寛次郎でありました。その時の出会いと指導を起点として湯町窯の洋食器、つまり新しい時代に対応した焼き物として民衆窯のライフスタイル的ものづくりが始まりました、エッグベーカーやマグカップなどはその代表作にあたりますね。度々とリーチは松江を訪れていて、特に湯町窯には都合7回も訪れています、その影響が大きいのは当然で、指導という目的のもとに訪れているわけはでありますが、その時代を想像するに、原田マハさん著の「リーチ先生」にも書かれていたようにリーチは決して全てを教えきるというスタンスではなく要所要所のポイントをしっかりと教え、あとはその地の特性を活かす創作として診ていたのがリーチではなかったのかと私感ではありますが想像します。つまり作り手の土地の背景や個人の創作性を生かしたものこそがその地に根付く民窯となると、、、
日本にもスポイト描きの手法に似た竹の筒で描く筒描きというのが存在していたので、指導されたものに遠くはなかったのではないかと想像します。
ということでリーチの湯町窯に対する並々ならぬ傾倒っぷりは、多分ガレナ釉に似た黄釉の発見にリーチの目が光ったのではないかと思うのです、やはり今見てもこれほど美しいスリップウエアはなかなかないのであります。そして作り手さんの創造するアーティスティックな表現センスこれが一番なのは言うまでもありません。
このモダンな表情と色、ブラウン、イエロー、ピンク、ブルーという縦のストライプにフェザーコームというかきこみ模様、鳥の羽のような模様からフェザーコームと言われる、簡単ではないのであります、熟練もいるのであります。そして取っ手名人が作る取っ手、リーチの教えでは取っ手は生えているように付けるということであり、その大きさも大きすぎるとグラグラしてバランスが悪く、小さすぎると手がマグにあたり熱い、丁度指一本が入るぐらい、というのがリーチの教えだったと言われます。日々の暮らしの中にあるアート。

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