ニューノーマル・「新常態」

テスラ3

新型コロナウイルスの影響で世界の新車市場が壊滅的な状況に陥るなか、欧州で電気自動車(EV)が健闘している。2020年1~3月の欧州18カ国のEV販売台数は前年同期から6割増え、販売台数に占めるシェアは5%に近づいた。4月は英国で米テスラが販売台数首位となるなど原油安でも勢いは衰えない。域内で始まった環境規制もあり、EVが浸透する「新常態」が生まれる可能性がある。

「(EVなどの投入計画は)予定通り。妥協は一切しない」。独BMWのオリバー・ツィプセ社長は5月上旬の記者会見で訴えた。同社はコロナ対策でハンガリー工場の新設を延期するなどコロナ禍で緊縮に動くが、23年までに25車種のEVとプラグインハイブリッド車(PHV)を投入する方針は堅持し、投資にメリハリをつける方針だ。

背景にあるのは好調な販売だ。BMWの1~3月のドイツでのEV・PHVの販売は前年同期から5割伸びた。これは全体の傾向でもいえる。

欧州自動車工業会(ACEA)が12日に発表した欧州主要18カ国の1~3月のEV販売台数は12万7331台と前年同期比で57%増えた。欧州連合(EU)が20年から段階的に導入した新しい二酸化炭素(CO2)排出規制も影響しているが、新型コロナの影響で新車市場全体が27%減となるなか好調さが際立つ。

EVの域内販売に占めるシェアは2.5ポイント上昇し4.6%に達した。PHVは2.3倍に増え9万6073台。EVとPHVなどを合わせたプラグをさし充電する車両のシェアは4.8ポイント上がり8.1%になった。

英調査会社LMCオートモーティブのアナリスト、ジョナサン・ポスキット氏はEVが粘った背景について「最大の理由はテスラ。(オンラインで完結し店舗に行く必要がない)非接触販売が奏功した」と分析する。英国の4月はテスラ「モデル3」が首位、英ジャガー・ランドローバー(JLR)の「Iペース」が2位とEVが上位を占めた。4月は全体が縮んだ影響が大きいが、4月の同国のEVのシェアは31.8%と前月の4.6%から大幅に上昇した。

欧州ではノルウェーが19年からEVのシェアが5割前後になっている。他国でも普及が加速する可能性は十分にある。追い風は各国が検討する新型コロナからの経済復興をにらんだ販売奨励策だ。

ドイツでは「イノベーションプレミアム」と呼ばれる奨励金の導入が政府や自動車メーカーの間で議論されている。消費者は環境性能の悪い車両を最新のEVなどに乗り換える際、価格面などでの優遇が受けられる。

ディーゼル車などの内燃機関車も優遇対象とするかの議論や、19年まで多額の利益をあげていた自動車業界の救済に反対する声もあるが、独政府は6月にも方針を示す見通しだ。

各社はEVを低迷する市場の光明として期待する。独フォルクスワーゲン(VW)は戦略EV「ID.3」を生産する独東部のツウィカウ工場をコロナによる休止から最初に再開する完成車工場の1つに選んだ。8月の出荷開始予定が遅れないよう挽回する構えだ。

背景にはメーカー、利用者それぞれの思惑がある。

メーカーにとっては現状のEVはガソリン車などと比べ製造コストが高く、利益貢献は低い。電池価格が下がりコストで同等になるのは25年ごろの見通しだ。それでも各社はEUのCO2規制を満たせなかった場合の罰金を考慮し、今はコスト高でもEVシフトを進めた方が得策とみているようだ。

利用者には足元の原油安で維持費で比べたEVの魅力は薄れているが、英独などでは購入時の補助金や社有車向けの税制優遇が拡充された。さらに新型コロナで交通量が減り、大気汚染に直面していたパリなどの空がきれいになった。欧州の有力な環境団体、T&E(輸送と環境)は「コロナからの回復は汚い内燃機関に戻らずクリーンな明日のモビリティを作るチャンス」と訴えている。

以上はニッケイ電子のバーンより引用

以下は個人の感想

今は個々人の足元の逼迫した状況の1日でも早い回復と経済活動の再開に向けての補助施策などがとても重要な局面でありそれに集中しなければなりません。官民上げてのキャッシュ流通の再開が1番のことです。

そして、車の販売の回復は住宅販売の回復と共にとても重要であります。一度に大きな資金が個人を中心に動くのは普通の人なら一生に一度か二度の住宅購入、そしてその次に大きいのが5年に一度ぐらいの割合でくる可能性が高い、車の購入であります。いずれもそれらは一度全額が支払われて、それをサブスク状態に分割するという、社会にとってのキャッシュ、資金流通にとってとても重要な潤滑剤なのであります、毎月月末にその資金が、ボーナス時にその資金が市中に流通するからです。これらは社会資本の充実にはとても重要なのです。日本にトヨタを例としてのもの作りのピラミッドが全国に形成されて、それらが末端までの資本主義消費構造の骨格を成して積み上げられているのは紛れもない事実であります。住宅販売とて同じなのです。購入時に個人にとって巨大な資金が動くことは社会を形成する資本の流通つまりキャッシュの流通にとっては常に動いてなければならない潤滑剤なのであります。

そういう意味での300年に一度ぐらいの変革が訪れている今の時期に、構造的に変革するものから、先に行く、新しい社会を構成する、つまりそれがニューノーマル・「新常態」ということが考えられます。その時代の申し子がテスラを象徴とした企業であると思います。テスラが求める社会への意識変革の要請はアップルが作った社会変革を超えるような気がしてならないです。テスラがクルマ以外に販売しようとする住宅蓄電セットや物流用大型トラックなどを見ていると、イーロン・マスクのパッと見た、情報上のイメージの彼よりも、遥にまともでよく考えられているように僕など思えてしまうのですが、いかがでしょうか。

テスラ3(国産EV含めて)に新経済補助金・イノベーション プレミアムなどの名目がつけばいいのですが、すでにその資金をそこに回せる余力はなくて。。。それを再度回すことで、また社会に流通してくるのが理なのじゃないかなと思ったりしているのですが。いかがですかね、でもまずは今の不安の払拭が一番ではあります。そして中期戦略とセットでね。経済活動の再開です、恐れおののきながらも、十分な対応をしながらも、謙虚に静かに、ニューノーマルの時代への準備を怠りなく。

知は力なり。フランシス・ベーコン