風を読む。

社会の小売業には、消費者のとても強い低価格志向が続くだろう。価格はとても重要な要素であることに間違いはないのだ。業態や業種の垣根を越えた再編も進むだろう、誰もが言うように、過去の成功体験やプラットフォームは通じないと思っていい。一定の規模以上の小売が生き残るにはデジタルを駆使したプラットフォーム、サプライチェーンの構築と、価格競争力と収益性を高める経営体質の改革が急務になる。その点、何百年も生き残ってきた日本の老舗と言われるほとんどの、その小さな企業の体質は存外強いようにも思えるのだ。日本の中小企業の収益性の良いところのほとんどがそこにあるからだ。もちろん楽観は出来ないのだが、恐怖のあまりの極端な悲観になることもない。過去あった、時代の容赦ない変革要求に対しても微妙に変容して、その姿を変えて、存続を果たして来て今を生きているからだ。つまりそれは小さな企業にも免疫力が求められているということ、商いの、経営の、免疫力と呼んでいい。過ごしている大変な現実を直視しながらも、なんとか生き残るすべをその知恵で考えて、小さな変容を続けることだ。それこそが企業の免疫力だ。これほどトップの知恵が求められる時代もここ60年はなかったが、しかし、先代たちもそうして生き残ってきたのが老舗である、今だけが大変な時代ではないのだ。富士フィルムの例を見ればいい、富士フィルムは大きな会社だが小さな商店・企業とて同じことだ、そこに学びがある。始まりのきっかけはとても小さいからだ。フィルムがなくなる恐怖と対峙して、その自分の体質にすでに在(有)った高い技術力を変容させて、化粧品から医薬品への高収益へと変容した。フィルムだけを見ていた頃には化粧品などには届かなかったろう、小さな変容を続けながら、強い体質へと免疫したことになったいい事業例なのだ。コダックとはそこが違った。突然の大きな変化で成し得たのではなく、社内や社友にいる素晴らしい知見に目を向けて耳を傾けたことでそれを成した。始まりはとても小さく、難しいことでもなかったろう、今ある中から新しいを育てているからだ、そういう意味でトップの知恵が必要で、自分じゃ出来ないことを、一人ができることはたかが知れている、自分が気づいていない周りをよく見ていることである。自分から声をかけなければならないのだトップは、相手からは来ない。そうしなければ、それすらも気づいた誰かに、保有し育てたせっかくの資産を丸ゴトとられてしまうことになる。これほど恐ろしいことはない。老舗は新しいものだけ、人だけではなく、必ず旧いをミックスする、それが免疫力なのだ。つまり今までの自分の中にあるものと混ぜるということだ。それによって強くなってきた事実がある。よく見ていることだ、風を読む。