情緒的な「あかり」をとどけてくれるランプ。

ランプの機能はただ明るくするだけではないということを、ヨーロッパに出かけた時に何度も感じる。特に北欧地区。だいたいあちらの照明は煌々と明るくはなく、光の加減を意識して抑えていて情緒的に見える。特に部屋で多くの時間を過ごすことになる寒い時期や年末や年始の特別な人が集まることが多くなる時期の部屋においてのあかりの調節は、情緒ということを考えても光のトーンを抑えているように感じる。ガラスの表面が揺らぎ、そこを通ってくる「あかり」はえも言えぬ情緒的表情を、特にこの時期に感じさせる。ガラスそのものは冷たいのに、そこを通ってくる小さな光はいろんなところに反射を繰り返し、とても暖かく温もりが生まれていて、やさしいのだ。人はなぜあたたかい光が欲しいのだろうか、こころを温めてほしいからだと私は思って疑わない。見つめているとそんな光がこのランプたちにはある、ほっとする。二つとして同じものがない、創り手の心が一つ一つにこもった手創りのランプ、この「あかり」のかがやきはしばらく見つめていたい、そんな「あかり」なのだ。

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