個展前に作品についてのお話をするわけですが、中でも今回私の目を止めたものがありました。乾山白釉の名称のシリーズです。4種類あります。乾山の名前にひかれました。聞けば、やはり尾形乾山が多用した釉薬の手法、白釉(はくゆう)をイメージに加藤さんの手法である自然の葉文をあしらうことにより、釉薬の特徴と作風が合まって、独特の表情を出しておられて、手に持った感じもとてもいい。加藤さんにとってもこの乾山白釉のシリーズは新しい試みといいます。柔らかく、つるんとした自分の中では新触感の物が出来たなと思っていて、今後これで何か作っていきたいと可能性を感じております。もったりとしっかりめの質感の秞です。釉薬は自分で配合しています。白いけれどもとても「和」な感じが強いので、茶道具、花器などなど、‥に今後の展開を考えてみたい」とおっしゃっておられました。手にとってみてください、私が感じたと同じようなことを感じていただけると思いますよ。
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以前、このブログでもご紹介いたしましたが、尾形乾山の話、江戸時代、洛中の京都が生んだ二大天才兄弟、光琳と乾山の話、弟が器を創り、兄が加飾を施すパターンが有名でした。これは兄の光琳が亡くなってからの乾山の物語、江戸時代としては長命だった乾山の晩愁の話、葉室さんの展開はさすがです。短編ですからサクッと読めますよ。