春の花と工芸、そして街の花。

Les Prairies atelier asako さん、亜紗子先生に個展の創作群に合わせたお花を入れていただきました。春らしい花がお店に入りました。「春香」たつお店の空気。お店の表現にとって、工芸の作品に添えられる花は、もっとも重要な存在だと僕は思っています。その表現いただくアルチザンの方との出会いもまた、他の店にはないものであり、店の独自性を演出し続けることができているのです。選ばれた花の集まりによってお店や作品は活かされるのであり、ただ作品だけがある場所とは異なる。それは石川町の裏町にひっそりと7年かけて咲いたこのお店もまた、この「街の花」だと僕は思っています。それはたくさんのお客さまに支えられて、お店も産地も、その作家さん達も存在することが出来る。遠く離れた都会の片隅で。ただ逸品の選びだけではなくて、この街があって僕らは存在することが出来てきた。これまでもこれからも。「類い稀なアルチザンな人たちの心」の集まりと、私たちのアルチザンの心で、この街とこれからも生きていきます。大都会の一隅の、この街だからこそ出来たこと、出来ることを追い求めてまいります。横浜のこの街が好きだから。

春の花、街の花
小さな小さな小売店にとって、この3年のコロナ禍はとても厳しいものでした。今もまだ続く、まだこれからも。
花がまだ入っていない表情が、花が入ることによって激変します。
でも、この花と作品と、このウィンドウをご覧になられていくことにより、どれだけの方が癒されていっただろうとも思っています。お顔の表情でわかります。ただ売ることだけじゃなくて、小さくともお店そのものが自分を含めてアルチザンの人たちの表現の舞台、服や食品とて同じこと。小さなたくさんのストーリー、Made With Loveで作られてきた集まりであり続けてきたのです。
美しく、繊細で、丁寧な造形の選び抜かれた姿がここにはあります。他にはないものが、LIKE NO OTHER 似て非なるもの。石川町に育てていただいた。
優れた指先の想いを込めた表現と共に、この小さな小さな店の物語はあり続けていきます。

 

「継続は力なり」 フランシス・ベーコン