インド更紗の日傘

売り切れました。

パリで日傘をさす人などまず見かけない、いたなら日本人だろう。しかもこんな素敵な絵柄、図柄の傘もそうだろう、そしてそれが日傘、陽を避けるためにだけにある。日本の、日本人のための、独特でかなり出来上がった文化としての日傘、そう、日傘は文化。なら素敵な絵柄を持つべきだろう、UV加工はされている。ヨーロッパの女性を思うと十分に日差しは遮れる。日本の文化は「日傘」に極まれる。

この生地はなんと、わざわざインドに発注している。独特の色と模様である。イギリスにある数々の名だたるプリント花柄の世界は全て、植民地時代のインドに影響のヒントがある。独自ではなかった、インドのこういう柄にルーツがある。なぜなら気候や温度からして、そんな花が咲くことはない、やはりインドなのだ花の多様性は、それを見て美しく思った描きてがこのような絵を描いてきたのがインドなのだ。でもそれをイギリスに持ち帰り、まだ未熟だった染色の技術などにいろんな技術を施しイギリスの製品として育てのがイギリスの花のプリント。

紅茶もインドからイギリスに渡った、ダージリン産などがその象徴、気温からして、茶の木はただ寒いところでは育ちにくい、雨と霧と温度が必要だからだ。先進国といわれるG7の国の中で茶の木を育てているのはアジアの日本だけである。イギリスは生産の仕方や、味の指導、香りの指導を続けて、紅茶の大国になった。学びは植民地時代のインドから持ってきたものだった。同じように植民地時代の香港から茶を学んでいる、紅茶と茶の生産に2大国に植民地を持っていた時代の恩恵が多分にある。

寄り道はそれぐらいで、

この日傘の柄である、なんとも美しい、たくさんあるイギリスの絵柄にも、このようなコットンの絵柄はありますが、これほどプリミティヴな模様はやはりインドまでいかなければお目にかかれない。それがMWLにはあります。インド更紗は、木を彫ってスタンプのような型を作り、布に擦り付けて模様を描く「木版捺染・もくはんなっせん」という技法があり、この技法で連続模様を描くことができるのが特徴です。この技法で、可愛らしい小花模様が一面に散りばめられた更紗がたくさん作ることが可能なのです、また、日本に輸入された後に独自に進化した和更紗の中にもその模様の影響を見ることができます。由来はこのようなインドの更紗の模様です。

やはりこの日傘も、スタンプのような木版捺染で生まれ来る。版と版の微妙な重なりの濃淡やその全体感すら魅力的な「傳・ツタエさん」ならではの珠玉な魅力と色の良さが詰まる。女性のための一本なのです。

この出会いのような一本を、今年はこれをお薦めしているMWLでございます。

いくつかの貴重なパターンからの「インド更紗」の日傘 これは他にはありません。そして日本の技術で日傘として具現、雨用とはまた異なる、夏の陽射しのための、アートな一本は如何でしょうか。

アートを日常のお手元にさす、「夜目、遠目、傘の内」の、古くから日本だけにある習慣の一般人のための日傘です。女性と切って切り離せなかった時代が今も続いています。

阪急電車の宝塚線の線路の小さな踏切を待っていた時に向こう側に、着物にサングラス、そして絵柄の日傘をさした女性がいた、派手な、50年以上前のこと、サングラスの端は上がっていて、レンズは黒く。遮断機が上がり線路を渡ろうとした時、すれ違いざま「おかえり」と言われた、なんと、よく見たらおふくろだったのだ。それぐらい普段と違う装いで、気づかずに驚き、後で思うのはどこ行くんや、と思った瞬間だった。

日傘の想い出である。

こんな美しい柄はそうはありません、生産数も多くありません。あなただけの一本になります。(売れました5/19)

 
 竹と房、日本の伝統 日傘