投稿日: 10月 14, 2025

長くブランドを存続させるには、つまり成長続けさせるには。

カテゴリー: Liberal Arts

経営者が自らコーチングを頼むことにある。本も読まない、深く考えもしない、優れた企業の小さくとも未来が見える経営者に。忙しいからと言う、全てに通用すると思っているコトバに。

岩本晃一さん、京大、院、から通産相、なんと上海の総領事(この経験が大きいね) それから政府系機関の色々後、今は独立行政法人経済産業研究所におられる。

「高く売れるものだけを作るドイツ人、いいものを安く売ってしまう日本人」これ買いなはれ、1000円しませんから、Kindleでもいい、僕は両方買いましたワ。何度も読み返したい部分もあってね。

面白いシテンの視点が見れました。なかなかの論客の方です。一気に読み進んでしまいましたワ。

 

あくまでも私の視点でまとめるとこんなことです。日独の経済構造や企業文化、さらには国民性の違いに深く関わる、非常に示唆に富んだ比較考察の対象です。

「高く売れるものだけを作るドイツ人」と「いいものを安く売ってしまう日本人」という表現は、両国の製造業やビジネスモデルの特徴を端的に表しています。

以下に、この二つの特徴について、経済、企業戦略、文化などの多角的な視点から深く考察します。

1. 「高く売れるものだけを作るドイツ人」の考察

ドイツのビジネスモデルは、しばしば高付加価値、ニッチ市場の支配、そして長期的な視点に特徴づけられます。

1-1. 企業戦略と競争優位性

  • 「隠れたチャンピオン(Hidden Champions)」の存在:

    • ドイツの中小企業には、特定の産業分野やニッチ市場において、世界市場で高いシェアを誇る企業が多数存在します。これらは大衆市場を追わず、高精度・高技術を要する専門分野に特化し、他社が容易に追随できない技術的優位性を確立しています。

    • 彼らは「世界相手の商売」を早い段階から志向し、海外市場のニーズに合わせて製品を開発・改良し、高単価で販売しています。

  • ブランド戦略と価格決定力:

    • ドイツ製品は「マイスター制度」に象徴される職人精神と、厳格な**品質規格(DIN規格など)**に裏打ちされた「品質」と「信頼」をブランドの核としています。

    • この揺るぎない品質と専門性が、価格競争に巻き込まれず、高価格帯での販売を可能にする価格決定力を生んでいます。

  • 輸出志向と支援体制:

    • 地理的な条件もありますが、国や州レベルで中小企業の海外進出や販路開拓に対するきめ細やかな支援があり、グローバルな視点でのビジネス展開が奨励されています。

1-2. 労働環境とマイスター制度

  • 高い労働生産性:

    • ドイツは日本と比較して、従業員一人当たりの生産性が高い傾向にあります。これは、得意な分野に経営資源を集中させ、薄利多売を避けるビジネスモデルと深く関連しています。

  • 技術へのリスペクト:

    • マイスター制度に代表されるように、熟練した技術と専門知識が社会的に高く評価され、それに対する対価(高い賃金と製品価格)を払うという文化が根付いています。


 

2. 「いいものを安く売ってしまう日本人」の考察

日本の製造業は、世界でもトップクラスの品質と安全性を持つにもかかわらず、しばしば価格競争に陥りやすい傾向があります。

2-1. 企業文化と競争環境

  • 過度な顧客志向とサービス精神:

    • 日本の企業は「お客様は神様」という文化のもと、顧客の潜在的な要求にまで応えようとする**「きめ細やかな工夫」「手間を惜しまない配慮」製品やサービスに盛り込みます。これは世界に誇れる美点ですが、しばしばコストの上乗せに繋がりやすいです。

    • 一方で、国内では「質の高いサービスは無料・当たり前」という意識が強く、その付加価値を価格に転嫁しにくい土壌があります。

  • 薄利多売志向:

    • 高度経済成長期に成功した大量生産・大量販売(薄利多売)のビジネスモデルから脱却しきれていない企業が多いという指摘があります。

    • 生産性の向上よりも、価格を抑えること市場シェアの維持を優先した結果、技術力に見合った利益を確保できていない場合があります。

  • ガラパゴス化と内向き志向:

    • 特に中小企業において、国内市場での成功体験から、早期のグローバル市場進出世界基準での販路開拓が遅れたり、不十分であったりするケースが散見されます。結果として、世界市場で高単価で売るためのブランド力や戦略が育ちにくい状況があります。

2-2. 経済構造の問題

  • 大企業優先の構造:

    • 経済全体として、内部留保を抱える大企業と、下請けとして価格交渉力が弱い中小企業との間に格差が生じ、製造業全体の収益性が伸び悩む一因となっています。

    • コストカットの圧力が中小企業に集中し、技術力に見合わない低価格での受注を余儀なくされることがあります。

3. 深い考察:日独の違いがもたらす影響

3-1. 経済的パフォーマンス

  • 生産性の格差:

    • 結果として、日本の製造業はドイツの約3分の2程度の生産性にとどまっています。ドイツが高付加価値製品への集中で生産性を上げているのに対し、日本は高品質にもかかわらず価格が伸びないことが、経済的凋落(名目GDP世界4位転落など)の一因とも指摘されています。

3-2. 企業と技術者の未来

  • 対価の還元:

    • ドイツのモデルは、企業が高い利益を上げ、その利益が労働者(技術者)に高い賃金して還元される好循環を生み出しています。技術が正当に評価され、その価値に見合った対価が得られるため、技術革新へのインセンティブが高まります。

    • 一方、日本のモデルは、高品質でありながら薄利であるため、十分な利益を再投資や賃上げに回せず、新しい挑戦やイノベーションへの原資が不足しがちになります。

結論と示唆

「高く売れるものだけを作るドイツ」と「いいものを安く売ってしまう日本」という対比は、「誰に、何を、いくらで売るか」というビジネスの根幹に対する姿勢の違いを浮き彫りにします。

  • ドイツ: 世界市場におけるニッチな強みを見極め、高付加価値を追求し、その品質と技術に正当な価格を求める戦略。

  • 日本: 過度な顧客志向価格競争の連鎖から、世界トップレベルの「いいもの」に見合う「高い価格」を設定しきれず、結果として労働生産性や収益性を低下させてしまう構造。

日本がこの状況を打破するためには、単にコストを削るのではなく、自社の卓越した技術や品質を「世界に通用する付加価値」として明確に定義し、適正な価格設定とグローバルな販路開拓を行う戦略への転換が不可欠であると言えるでしょう。

以上が岩本さんのこの本の簡単な私的まとめになりますが、詳細の各論は本書をお読みいただき、知見のレイヤーとしていただきたい。

左は京都の開化堂と言う茶筒屋さん、岩本さんが言われる日本の企業への提言をすでに実践されて成功の過程にある企業例として、強いブランドにするには社長の勉強のみです。この本も面白いですよ。さあコーチングの門を叩きなさい。デザインは思想と論客の論が必要なのです、自分にはない部分を補う。

投稿日: 10月 14, 2025

お洒落の秋始まる②

カテゴリー: アルチザンな人たち

お洒落とは、いかに自分を大事にしているかの表現であります。特に欧米のお洒落都市をつぶさに見てきた自分はそう思います。季節になれば街にお洒落して繰り出す人たち、シューズもアクセサリーもちょっと持っているバッグなどにもお洒落感ってのは出てしまう。どうして彼女たちがこんなにもお洒落なのか、その住んでいる都市でたくさんのお洒落な先輩人たちを見ているからです。

こういうコーデが素晴らしい、スカートの形と長さ、しっかりとしたプリーツ、スエードのジャケット、砂避けがついたコンビレザーのシューズ。何気に手にしたバッグとアクセ。こういうのはファストファッションでは難しい、中庸のプレミアムのブランドから表現されている。マッシモ・デュッティなどその最たるものだろう。このブラウンスェードとグレーのスカートの相性が品格を表していますね。そんなコレクションブランド、メゾンを買えないからそういうブランドの役割があります。
やはりプリーツのスカートってあちらの人の綺麗目こなし、大人にとっては必須のアイテム、日本ではあまり見ないですね、作り手が表現していないからです。このバレエシューズの変型がかわいいですね、ベルトが履きやすそう、レペットなのかな。
こういうのがとても大事でね、決定的に差が出てくる。いないから、見たことない。
こういう人って欧州では普通にいますから。明らかにしてファッション関係者、しかもモデルでしょう。カメラを意識している。でも自分の表現で着こなされている。
こういうコートもそうです。見ないな、企画が潰されているのでしょう。途中で。デザイナーがまず海外のコレクションの時期のランウェイじゃなくて街中を散々ぱら見ないといけない。偉い人じゃなくて、デザインの絵を創造する人のこと、コレクションに来ているお洒落な人たち関係者のしているコーデの中にヒントが山ほどあるから、そんなの社長が見てもわからない、お金を使うべきはデザーイナーであることに早く気づいたところから良くなっていきます。
ソックスの色とミハマの靴のようなヒールの低い靴、ここがポイント。エナメルっぽい素材もいいですね。バッグは言うに及ばず、スカートの素材と形とボリューム、ジャケットの細いシルエットと長さ。食べることだけが第一じゃなくて、もっと装うものに対して気遣いすることが、自分の表現になる。自分を大事にすると言うこと、もちろん食が大事なのは言うに及ばず、それはその中身や献立を自分が選んで創ると言う基本が生活にあってのこと。
日本じゃまず見ない、ファストファッションが軸のお洒落だから でも年代にはそこが浸透していないというか欧州であります。あって当然いいのですが、使い方であって。作れるものと作れていないものがあるということ。
スマートな人、誰に教えてもらうかと言えば、内なる自分ですよ。ブラウンとモスグリーンの色使いが秀逸でね、羽織ったショールも。