スーパーの域を越える

進化したら老舗

ひと所にじっととどまることなく、顧客の声や時代の要請に耳を傾けていながらも、自分たち自身は何なのかを忘れてはいない。かなり稀有な企業である。

わたしがこの場所でよく持ち出す言葉、開物成務、東京にある進学校の語源であることをあまりは知られていない。開成という言葉であります開物成務とは。

「開物成務(かいぶつせいむ)」という言葉は、東洋思想、特に儒教における「知」と「実践」の極致を表す非常に重厚な四字熟語です。

開物(かいぶつ)

  • 意味: 万物の理を切り開き、明らかにすること。

  • 内容: 人間がまだ気づいていない自然界の法則や、物事の本質を解明することを指します。現代風に言えば「科学的探究」や「真理の発見」に近い概念です。

成務(せいむ)

  • 意味: 人としての務め(事業)を成し遂げること。

  • 内容: 「開物」によって得た知識を、実際の社会生活や政治、産業に役立て、人々の生活を豊かにすることを指します。こちらは「実践」や「社会実装」を意味します。

私はいかりスーパーのパンにはこの思想が自然に、且つ完全に宿っていると常日頃思っていて、それを具現している対象を他では見かけることが少ない、フランスやイタリア、スペンインで見かけることがたまにある。何度も訪問して、街をつぶさに見ていて気付いたことである。

もともとベーカリーとケーキからのスタートで神戸市内の発祥であり、碇山が、あの⚓️のマークが鎮座する神戸の山である、見えるところにあったからイカリである。

ご承知のように神戸のベーカリーやパン、ケーキのレベルは群を抜いてすごい、とてもそれぞれが切磋琢磨しているからである。そんな中にあって中庸から少し上のプレミアムに留まって、その価値を具現深化(進化)し続けているのが、イカリである。ま、これ以上は論を続けて行きたいところですが、有料の領域としましょう(笑)

とにかく開物成務、万物の価値の根元の思想であることは間違いなくて、それを静かに全うしているところ(企業・規模の大小を問わず)は成功しているところが多い、私が通って来た途(みち)では必ずこの論を話してきた。

進化したら老舗 であります。

 名称を変えながら深化し続ける、進化するパンである、それはパン屋という出自からくる。とにかく美味しい
これもそうである、イカリがすごいのはモノは元より、パッケージデザインの優れ具合であります。色といい形、使い方のそれを他のスーパーで見かけることはない、ただ名前のシールを貼っているだけ、作っているのは神戸のドンクと言うところが多い。イカリはベーカリーを自社の宝塚工場で作っている。これも出自であります。品質管理という最上位の言葉からくる、価値のことを彼らはよく知っている。 
これがまたベストセラー、イカリはヒット商品をよく出す、それもオリジナルで、収益性が食品という粗利の低さを超えるのが傑出したオリジナルであり、企業体質の根源でありますす収益性のね。そしてそれが地方都市の社会に還元されていくという、ここでも開物成務の思想が生きる。 
スラッシュなしだった(無添加ということ)イカリのオリはスラッシュあってもベーキングパウダー程度だ、だから賞味期限は他のスーパーの商品に比べて短い、その循環する賞味期限の短さのサイクルをあの規模でよく作り上げたものだと思う。スラッシュ以降が少ないのは日持ちに影響する、つまり賞味期限の短さである。全てとは言わないが、ほぼそれである。
これが昔から好きでね、小倉屋山本謹製のイカリのオリであります。 イカリのお徳用はお得であることは昔からそうで、徳を積んでいるのであります。