2019年にシリーズの発売から10年となった。白山陶器の「BLOOM」とは植物の最盛期を意味しています。白磁に映える生命力を感じさせる深い瑠璃色の絵柄は、なんと「筆を使った手描きの柄」なのです。「食卓から暮らしを元気に」というこのシリーズに関わる創り手の人たち、産地・長崎の思いがこもっています。中国大陸から日本に伝わった様々な製陶技術のなかでも、白磁に描かれる青い模様は、陶磁器の伝統と愛着を感じさせる色合いです。東洋人の記憶の片隅にいつもあるその配色は、私たちの食生活の中に馴染み、寄り添ってきました。また大胆に簡略化した手描きの絵柄は、備前地区の古陶磁に多く見られる身近にあった加飾の方法です。どの窯元にもある材料と道具、手段でつくる「白山陶器らしさ」と「手描きの技術の継承」を命題に、2008年からシリーズの開発が始まっています。絵柄を自由に発想し描くことができるキャンバスの条件は、もちろん器として日常の食卓で多用途であり、何より使いやすく、かつ模様が映えるかたちであること。絵柄のイメージを共有し膨らませながら、白山陶器デザイン室の阪本さんが1年の間に次々とその土台となる形状を開発してゆきました。そのニュートラルなかたちに、筆の特性を存分に生かした瑠璃色の植物柄を同デザイン室の富永さんが展開。デザインの方向性が決まってから一種類で進められていたプレートのパターンは、発売の直前に2種類に変更。料理を引き立てる縁取りの模様の「リース」と中心に描かれた「ブーケ」、レイアウトが異なる2種類から選べるようにされました。多様性がもとめられる今日の食生活の中に取り入れやすく、メニューを想像しながら楽しく選べる充実のアイテムとサイズ展開。生命力とクラフト感があふれる「BLOOM」は清々しさをテーブルに運ぶ一大シリーズとなっています。
写真よりも実物が、遥かにうったえてくるものがあります。手にとってみて下さい。












以上のことを見てくると如何にこの作品が尊いかがわかる
プリントにて転写にするのは簡単だ、そういう意味の美しさや生産性も上がるだろう
転写を否定するわけではない、より高いプリントのレベルはあるからだ
しかし産地の手描きの技術はそこで途絶える、技術を持った雇用の維持も途絶える
ただの工場、ファクトリーになってしまう、白山は依然として、産地にある産地を代表する大事な「工房」なのだ。これを維持し継続し続ける、産地のこの作品(製品)に関わる人たちに惜しみない拍手と応援を送りたい。