投稿日: 12月 23, 2021

お茶と茶器と横濱。

カテゴリー: 街物語, 開物成務

哲学の域にまで達した日本の茶
「和・敬・清・寂」
極めれば、技は道に通ず
茶葉(ちゃよう)も急須も、極めれば道

美味しいものを美味しくいただくために

茶人、岡倉天心は中区本町、つまり開港記念館あたりであるが、の生まれである、横濱に深い関わりがある。そして私が茶に興味を持ったゆえんの人であります。東京大学出身。藝大の前身東京美術学校の第二代校長でもありました。その後東京芸術大学(登記上は”藝”でなくて”芸”であるそうだ、一般には権威のイメージを含めて”藝”を使うことが多いようだ。)の設立に尽くした人でもあります。茶と美術、海外との開かれた心の接点、横濱ならではの背景から生まれる先取の精神と日本の折衷な精神の礎(いしずえ)を作った人だと思っている‐これぞハイカラ精神。原三渓などもその一人。横浜には横浜らしい人がいるものだ。三渓園の茶室など含め、あるいは当時の茶の輸出の拠点であったであろう山下町・山手町周辺など、浅からぬ茶と横浜の関係、実は深い。横浜は「茶と美術」で活かすべきであろう。その点、横濱美術館は名誉である、その展示フィロソフィーのテーマからしても。じっくりと改装に時間かけてもらいたい、この時期に慌ててもしかたない。100年の礎の改装であればいい。

 

私が新しい「茶」を「創る」時に常に横にあって見返す書籍はこれだ、横濱の開港地周辺で生まれて育ち、学びを重視し、芸術を好み、世界へ出て、世界に影響を与え、今も与え続ける偉人であります。横濱にとって「茶」とはそれほど関係性が深く、尊いものである。だから横濱に関係する茶の思想を踏まえて、新しい時代のお茶を私は創り続けるのであります。だからこそ、「茶器としての急須」が大事なのであーる。急須に傾倒する理由はそこだ。ご家庭に一個、本物で魂で創られた急須を、横濱人なら尚更。茶と茶器を扱うルーツはここにあり。しかも嬉しいことにはそれを石川町で表現できることだろう。お茶と茶器と横濱であーる。

茶聖・大谷嘉兵衛の記事も参照されたい。横濱の茶には色んな歴史がある。

新しい「茶」の発売にあたって。

投稿日: 10月 27, 2021

高山寺画の秀逸な徳利を二題

カテゴリー: 開物成務

美しい徳利を二題、すべて手描きであります。本当に貴重であります。きっちりきれいにだけ仕上げるのではなくて、表現の中に多様性を感じる。この時代にこのように描けていることが素晴らしい。ここにあるからと言って当り前のことのように見ないでいようと思っていた。「三顧の礼を尽くして」お迎えしたい絵付けが行われていると、知れば知るほど思うようになった。京都に通う理由である。人と、他の歴史ある産地の方々とのお付き合いもそうであるが、商いの基本だと思っています。まず自らが通うことであること、それを大事にしている。通う数において誰にも負けたくはないのだ。

徳利の口先の中まで施されている絵、手描きの証。静かにその術で作品とたらしめる、数少ないタイミングに、良い時間を過ごすための酒器。
お酒を呑む。日本人にはとても大事なことだと思う。その時に使う酒器を大事に考える。他の酒類とは異なるのだ、これだけは。
清水ならではの土の色であること。
口先の金彩と繊細に施された絵の技法
この粒粒の肌と口の金彩、中にまで筆を入れた気持ちに、作品に向かい合う、五条坂の窯としての矜持(きょうじ)を見ている。
高山寺画の国宝を自分の手で写すという自負を持ってその任にあたっているとしか思えない。クリエイティブのユーモアがある、京都ならではの。
これらの芸術的な大作にスポットをあてずに、何にあてるという気持ち。
出会えて幸せである、ありがたい。

言葉表現は、あまりにも個人的想いが高まっていることをお含みおき下さいませ。個人の見解であります。それをどう思うかは受け取り手に委ねられます。ご自由です。が、またこの目と心はたくさんのものを見てきているのも確かです。そしてまだ今も学び続けています。行きたい、真に優れたものに、人に、「出会い」をもって、三顧の礼を尽くす。

投稿日: 10月 13, 2021

名刹の背景を訪ねて

カテゴリー: 開物成務
史跡と特別名勝のダブル認定、龍安寺方丈の庭園の前庭、あまりに有名な石庭。室町末期に作庭された、500年に近い歴史がある、なんということだ、しばらく想いを巡らせ座り込んだ。人は少ない。
早紅葉の枯葉がなんともまぁ
禅の格言の図案化、真ん中の口を持って、吾れ、唯(ただ)、足るを、知る。なんという図案、それが銭形というのが、今の時代に刺さりくる。。。
龍安寺で有名な侘助椿(わびすけつばき)わび、さび 三月の花 千利休が愛した花。茶道の花として必ず出てくる。

投稿日: 8月 21, 2021

国宝・曜変天目茶碗

カテゴリー: 開物成務

なんとまぁ、鑑賞券をいただいてしまいました。。。お好きでしょと。。もうね、この三菱の至宝が見たくて、やっていることは随分と前から承知していて、、、中でも曜変天目茶碗の宇宙的な美しさに、、、出所は中国ですが日本で華開いた曜変天目、窯変の極み、鑑賞券がやってきたご縁に震えが止まらん。それぐらいに驚き、嬉しい、なんでやねん、の曜変天目です。東京への仕事がある折り(おり・過ぎゆく時の中の、区切られたある時点のこと)の帰りに様子見ていきたいです。ご縁を誠にありがとうございます。これほど驚き嬉しいことはありません。

ヤタロウ

投稿日: 7月 22, 2021

月鉾町

カテゴリー: リスペクト, 街物語, 開物成務

今年もお届けいただきました。嬉しすぎます、なんという。嬉しさのあまりにフルアップ。今年は鉾を立てただけで巡行もなく、月鉾町ではお囃子も上がらなかったといいます。長い祇園祭の歴史の中でも異例な年が過ぎています。そんな中を、ありがとうございます。

こんな時節だからこそのお気持ちが嬉し過ぎます。
なんという、、、言葉がないわ。。。

ヒマラヤン・ムーンもそうですが、とにかく月好きな私でございます。

投稿日: 7月 14, 2021

下京区月鉾町は四条通り沿い。

カテゴリー: 開物成務

どんなに大変な時代においても歴史を繋ぐ、紡ぐ人たちがいる。それこそが今までに続いていることとも言えて、まさにこのような今の大変さの、お祈りのために執り行われている行事です。祈りを未来へ。

開物成務とは「開成」の語源、進学校開成の歴史のことばの中にも出ています。私は京都の老舗のご主人からお話を聞きました。京都は町(街じゃなくて) そのものが開物成務の歴史。

投稿日: 7月 09, 2021

2005

カテゴリー: 開物成務

どうしてもこの本を発行したかった、言い出したのは私だ、それを貫き通した。系統だったスタンダードデザインのプロダクトを作品としての目線でなくて商品としての目線で紹介していた本はなくて。これから何年か経った後に、雑誌とか書籍とかの特集が出ることになる。始まりはこの本だった。今思ってもこれを具現させてくれた人々に感謝したい。

投稿日: 7月 09, 2021

森正洋との出会いによって私の中の中庸のプレミアムは確立した。

カテゴリー: 開物成務

工場で作ることによって量産が可能になり、山の中の産地に雇用が生まれる、村に税収が入る。そしてデザイナーとしの矜持(きょうじ・きんじ)とは焼き上げる前の型に対する絵付けはハンドであること、そこには熟練を要することになり、描き手はその後の自分の未来につながっていく。そして規模の大きな消費地の都会で周知し販売することにより、冒頭の役目としての産業の推進を行なった、人も地元も育っていった。そういう思想をデザインというツールを武器に持ち合わせていた人は森さんただ一人だった。こんな遥かな昔にSDG’sだった人。たくさんの話をして、私の中の中庸のプレミアムという思想は確信に変わった。産地にとっては1000円の器であるよりも3000円の器である方がいいに決まっている、量産と手作りの創作のバランスと価格のバランス、地元の振興である。

投稿日: 7月 09, 2021

私の師はバウハウスである。

カテゴリー: 開物成務
なぜヴィッツゥを使い続けるのか、バウハウスそのものであるからだ。今、バウハウス、その思想に影響を受けながら作られているモノはVW GOLF だけだと私は思う。ブラウンの音響や家電がなくなってしまった今、その思想をベースにしながら、残しながらプロダクトとして存在するのはVW、中でもゴルフ。モデルチェンジしたゴルフ8 には、デジタルがどの大衆車よりもてんこ盛り状態なのだが、バウハウスの息吹が脈々と残っていると感じる。ヴィッツゥはイギリスで作られていても、そこで思想を守られていても、そこはバウハウスなのだ。