投稿日: 3月 15, 2017

一里塚本業窯の麦藁手

カテゴリー: お取り扱い商品

常滑などと共に六古窯の一つに数えられる瀬戸。
瀬戸もの・一里塚地区にあるため一里塚であって、瀬戸で代々作られてきたものを作っているので本業であり本業の窯という意味です。この模様は「麦藁手(むぎわらで)」茶碗などに縦に線条を何本も引いた模様のあるものを言います。内にも外にも線を引くというよりも片方の方が全体のバランスを見た時にデザインとしての完成度はいいと僕は思っています。LESS IS MORE 素朴が極まっています、しかしながら絵柄の線引き模様は難しく、まさしく熟練した経験が必要であり、その熟練具合により1日に何個を描けるかということになります。日常使いの瀬戸民藝の歴史が残る作品。そのため分業になっているところが多いようです、必然的にそうなるようにも思えてきます。ろくろはろくろで、絵付けは絵付けという風に、素材の土も赤っぽいものをよく見ます、やはり採れる産地の影響ですが、ここ一里塚はこのように白いです、しかも美しい白さ、肌白に乗る綺麗な色と線は歴史のある、ほっこり系の代表柄から、モードな表情すら漂わせているように僕は解釈しています。そして一里塚の特徴として、すべての工程を一人でこなしておられます、「水野雅之」さんです。分業でなく一人でこなす特徴は一人の意思が作品として入り込み完成されます、一人の人の心が入るということ、少なくともろくろの工程と、線引きの中心に線を集めるこの難しく、息を呑むような工程に。この器への魂が注入される、そのように思えてならないのです。素朴な「むぎわら」を思わせる伝統柄が時代を超えてモードになる瞬間を見ました。今現在を作陶されている作家さんを大事に紹介してまいりたい、そんなあれこれを思うと決して高い価格のものではない、むしろ価値が価格を超えている作品(製品)だと思うのです、数年で満足なものは作れませんからね、今時そんなものなかなかない、それこそが民衆の芸術たる伝統なのかなぁと、僕は解釈しています。
とにかくろくろの上手さは傑出されています。

この小さな湯呑み、くびれが手に持つとしっくりときて、美しい表情になっています。

青と赤を軸とした線を描く、若い二人がスタートする民藝使いには最適と思い、お取扱いさせていただきました。民藝の中でも伝統的でありながらも今を感じさせる模様といいますか、馬の目もそうですが一里塚さんはなんかそれを感じさせて下さいますね。和柄なんだけど北欧っぽい、絵付けの到達点なんでしょうか。自分が少年・少女であった頃のグラフィックスを想う、ような色であり素朴で純粋な絵柄を二人のスタートで使うってのは大事なんだよなぁ。。。

PHOTOS:MWL STORE