美しい急須

本日、月曜日は定休日でございます。明日からのご来店をお待ち申し上げております。毎年この時期に一年に一度の規模で展開中の常滑焼急須展、中でも「逸品」ばかりの品揃えでお届けしています。

美しい急須の物語

地理的に日本の中央に位置する愛知、そこは太古の昔から焼き物が盛んであった、六古窯と呼ばれる日本の歴史的な窯業産地の二つを連ねる。その歴史を紐解けば、太古の昔の巨大な湖である「東海湖」の果たした大きな役割が見えてきた。南に常滑、北に瀬戸という、優れた窯業の産地が生まれた背景は、それに非常に適した土、泥、粘土層が大量に存在しているところにある。今の時代にはすでにその上に住宅やビルが存在し、昔のように簡単に採取できなくはなってきているようだ。そう、貴重なのだ。

650万年前~100万年前、伊勢湾北部から濃尾平野に至る巨大な湖「東海湖」があった。最大で琵琶湖のおよそ6倍の大きさだったとされ、その後の地殻変動によって東海湖は姿を消したが、堆積した粘土は焼き物に欠かせない原料となった。

当初は今の名古屋市東部が中心だったが、燃料の木々を求める人たちが南北に産地を広げた。約20キロ四方に1000カ所を超える小さな窯の跡が確認されている。

粘土質の露出が多い土壌を「床(とこ)が滑(なめ)らか」と呼ぶようになり、粘土は鉄分を多く含み、焼くと褐色になるのが特長である。海が近く船で物資を運搬できたため、瀬戸と違って大きな水がめなどを作って栄えてきたのが常滑の初期の歴史である。

そして江戸時代に生まれた朱泥の急須でも知られ、先に書くように、優れた焼き物に合う太古の粘土層の地政学的な地層の基本構成により恵まれている産地であること、その土をさらに焼き物、特に急須に合うように洗練された土として作り込む、水簸(すいひ)を行う、水簸とは粘土の精製方法のひとつで、採取した優れた原土(げんど)を水でかき混ぜて余分なものを取り除く作業のこと。水簸の利点としては小石などが取り除かれて、きめ細かい土になるのでロクロ成形がしやすくなる。欠点としては土の成分が水に熔け出して、本来の土味が失われることもあり。アルカリ分など作陶に有害なものも熔け出る一方、鉄分などその土独自の成分も水にある程度は熔けだす。という相互の作用はあるものの、表面が美しく、施釉せずに焼き締めているというのが、常滑の急須の大方の特徴であり、鉄分の多さが黄土色だった土が焼成により赤褐色の常滑らしい、この急須色となる。

この赤は自然に焼けていく過程で出る色である。「本朱泥」の土の特徴であります。しかし、今はいろいろな土が存在しています、それぞれに長所や短所は存在しています。

それらはすべからく(なすべきこととして)、煎茶を美味しく、心豊かに呑むためのものです。

急須、絞り出し、湯冷し、湯呑み、温度計、タイマー、情緒的な一つ一つの形状で呑む、お茶はうまいぜ。いいアイデアが浮かぶから不思議だ。

休みに、頭を回転させるのはお茶、お茶、お茶。

 MWL ORIGINAL コネクティッド・サークル、モチーフは繋がりを意味する、いろんな。
 25,300円 (税込)本朱泥
 
 
 
 
  実に美しい佇まいではないか
つながろう、一緒にがんばろう
蒸気船、うまい