西洋の昔からある格言ではあるが、建築家:ミース・ファン・デル・ローエが引用した言葉として、建築家には有名な言葉である。大きな部分を求めがちであるが、実は小さなとっかかりが大事なのだ、なんでもということか。ミースは家業の煉瓦職人を始まりとして、家具職人、家具工房とキャリアを積んで、建築事務所に勤め、そこで頭角を表す、ミースが建築だけではなくて、家具も美しいのはそういう背景からだ。元は職人なのだ。そしてバウハウスというデザイン工房の校長まで務めた。シカゴのIBM(コンピュータの概念とそのものを作ったアメリカの会社、INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION 俗にIBMという、うちのレジの後ろの壁にかかる丸い時計はIBMが米国で製造したもの現物だ、当初はそういうビジネス周りで必要な機器の製造で始まった、特にこの壁掛け時計は有名である)ビルを設計した。ミースはIBMの企業概念に惚れ込み、ビルの設計に携わっている。私はミースの影響でこの壁掛け時計をアメリカで探し買ってきた。
格言の引用はこれくらいにして
イッケンドルフである。初回入っていたものが早々と売れてしまい、2回目の追加が入荷した。少しバリエを拡げた。イッケンドルフの詳細を昔から見ていて、冒頭の格言がいろんな形の詳細を見ていて思ってしまっていた。繊細で美しいのだ、日本にもこれぐらいのうすはりって存在するのだが、私的にはどうも、ドイツで生まれ、イタリアに工房を移したこの会社、その系譜が”色気”を感じさせるのだ、ドイツだけでも成し得ない、国境を接する混じった人々がこれを伝承させている、現在はイタリアの製品として存続している、そこが魅力なのだ、イタリアだから、日本におけるこの価格が維持出来ているのかなと思う、この時代、特にここ2年の状況下で。やがて上がるのは間違いないだろう、だから今なのだ取得するのが。コレクションは。と思っている、うちは単に価格を求めることはない、物語、美しさ、どこで作られているか、継続性、そして価格のバランスを求めている。
美しい
とにかく見ていてその言葉しかない、あと、プリミティヴ。紅茶に、特に夏の紅茶に適していると、今の時期に投入したのだが、冷たいアイスティーにふさわしい、そのプリミティヴな表情が。ダージリンやアールグレイを冷たくしたもの、そんなのだ、ふさわしいのは。インド紅茶に限ると、それはイギリス式の文化とともに育ったからだ。紅茶ほど、イギリス人が美しいものへと昇華させたものは、他にないと私は思っている。この件(くだり)はいずれまた、別のところで。
独自の世界観をもつ
ものはなんでもそうなのだが、独自性が全てである。100年の歴史がある今やイタリアのイッケンドルフは、デザイナー、アーティストとそれを具現するガラス工房職人との密接な共同作業を大切にしてきたガラス製品の工房である、高い品質で「透きとおる美しさ」歴史的背景からの独自の他にない世界観を持ち、今回私が思う最も大事な部分である、「極限までシンプルで洗練されたデザイン」と言う思想、ここが他にない部分で、先に挙げた色気という言葉、は、歴史が必要な部分なのだ、ただ歴史ではなくて、その地、地方や生活の背景に根ざしたというのは言うまでもなく、これが魅力の背景に横たわっている。それは今もガラス工房の職人による手吹きの作業で一つ一つが今も作られていると言う。ま、あり得ないことである。これは見つけて欲しい。色気あるシンプルってやつを。
ガラスはガラスであって、繊細で華奢(きゃしゃ)である。そのほとんどは強化ガラスではあるのだが、注意し続けなければ割れる。特にこのうすさは、でもなんでも一緒だ、割れ物っていうことでは、一個に対して、自分がどれだけ気持ちを持って使うかということだろう、大事な存在の対象はいつも気を遣うことで、壊れずに大事に育ってくれるってことさ。
美しい、とひきかえに大切にしなければならないことのあるを知る