常滑焼唯一の人間国宝である三代の山田常山に直接指導を受けた人物はごく限られています。
祖父であります。
急須だけでなくて、他の器も創るというところ、過去だけを踏襲することはしないというアティチュードを早くから自分のスタイルとして確立されてきた。
この青も薪窯という窯の特性を駆使したうちの一つで、他の燃焼方法とともにある作品の多様性であると言えます。
表面を、ただ美しくないという、土ありき、常滑特有の思想とも。
美術の領域にあるなと私などは思ってしまいました。
基礎と伝統が体の中にあって、それに自分だけの創造性の付加を常に、この常という言葉が大事で、向き合うことを続けられています。
やっと40半ばになられたばかり、今もさることながら、これからがとても楽しみで次に何が来るのかが楽しみでならない、だからこそ今の作品が貴重だと思っています。
ここにしかない、この一品のことであります。急須だけでない多様性がその作品性とともに惹きつけます。