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私はリベラルアーツを大切にしています。ここにはいいブランド、事業、事業会社を創るための知恵と知見を集約させています。私の知見のほんのわずかなレイヤーに過ぎません、が、それでも大事で、誰にもわかりやすいものをご紹介しています。これは特別な人のためのものではなくて、どの場面の普通の人にとっても大事な視点であります。これがわかっているといないではかなりの差があります。私はいつもこれらを、私に関わった人たちに説いてきました。
その視点
リベラルアーツとは、古代ギリシャ・ローマ時代から西洋の伝統的な教育で重視されてきた、人間を自由な市民とするための「自由七科」に由来します。これは、論理学、修辞学、文法といった言葉や思考の技術(三科)と、算術、幾何、天文、音楽といった数学的・自然的な知識(四科)から成り、知識を統合し、現実を深く理解する能力を養うことを目的としていました。
知の巨人ドラッカーが「経営はリベラルアーツ(教養)である」と繰り返し主張した理由は、経営の本質が、単なる技術や専門知識の適用に留まらず、人間と社会に対する深い洞察と理解を必要とする総合的な営みであると考えたからです。
経営がリベラルアーツとされる主な理由
ドラッカーが経営をリベラルアーツと見なした背景には、主に以下の3つの視点があります。
1. 人間に対する強い関心と洞察の必要性
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経営の核となるのは、組織で働く「人」であり、人の能力を引き出し、成果を生み出すことにあります。
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人をマネジメントするためには、単なる経済的な動機付けだけでなく、人間の心理、価値観、強み、行動原理といった、哲学、歴史、心理学などのリベラルアーツが扱う分野の深い知識と洞察が必要になります。
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ドラッカーは、「マネジメントとは人のことである」と述べ、組織のあらゆる活動が人を通じて行われるため、まず人を理解することが出発点だと強調しました。
2. 倫理的・社会的な視点の重要性
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経営は、社会やコミュニティの一部として機能し、その活動は社会に大きな影響を与えます。
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企業は社会の公器であるという考えに基づき、経営者は倫理観、責任、社会のあり方について常に考え、判断を下す必要があります。
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これは、歴史、政治、倫理学といった、より大きな文脈の中で物事を捉えるリベラルアーツの精神と一致します。経営を成功させるには、技術的な専門性だけでなく、社会全体を見通す知恵が求められます。
3. 「全体」を把握し、「本質」を直観する能力
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経営上の問題は、しばしば学問分野を横断する複雑な問題であり、単一の専門知識だけでは解決できません。
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経営者は、生き生きとした現実を経験しながら、その背後にある本質を直観し、それを言語化し、行動に移す能力が求められます。
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この知識を統合し、豊かな現実の中で本質を見抜く力こそが、リベラルアーツが培う教養であり、ドラッカーはマネジメントを、この意味で「アート(技)」であると捉えました。
まとめ
ドラッカーにとって、経営は「人を生かし、組織を生かし、社会に貢献する」ための実践であり、そのためには、専門知識を超えた幅広い教養と人間的な成熟が不可欠でした。したがって、経営学を単なる「科学」や「技術」としてではなく、人間と社会を深く探求するリベラルアーツとして位置づけたのです。
以上の「命題の問いの答え」として、誰にもわかりやすい引用として私は、スティーブジョブスの話をしてみましょう。
スティーブ・ジョブズが語った「リベラルアーツの交差点」とは、テクノロジー(技術)とリベラルアーツ(教養・人文学)を融合させることで、人の心を動かすような革新的な製品を生み出すというAppleの哲学を表す言葉です。
その意味するところ
ジョブズは、Appleを単なる技術会社ではなく、「テクノロジーとリベラルアーツの交差点」に位置づけていました。この交差点が意味する核心は以下の点にあります。
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テクノロジーだけでは不十分: どんなに高性能な技術でも、それだけでは人に感動を与えたり、真に役立ったりする製品にはなりません。(現在の今に於いて、あらゆる誰もが持ち上げるAIにおいても例外ではありません)いやむしろAIにこそその視点が重要なのです。
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人間性との融合: 技術にリベラルアーツ(人文学、芸術、デザイン、哲学など)が結びつくことで、人間の感情や体験、創造性に深く寄り添った製品が生まれる、と彼は信じていました。
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直感的な使いやすさ: この融合により、高度な技術を搭載しながらも、直感的で使いやすく、楽しいと思えるユーザー体験(例:Macの美しいフォント、iPhoneのシンプルな操作性)が実現されます。直近ではAIの技術はそうと言えます。
ジョブズは「テクノロジーとリベラルアーツ、そして人文学が結びついてこそ、私たちの心を歌わせる結果を生み出す」と述べており、AppleのDNAにはこの考え方が深く刻まれているとしていました。
自分の知恵に無い部分に気付いたのなら、すぐにその知見に教えを乞うことです。3年も学び続けることで、それが真実になって変わり始めます。AIの時代だからこそ、リベラルアーツがその基礎として重要なのです。同時進行させること、AIに任せる入力だけをしていると自分の脳は何も考えなくなるからです。