投稿日: 8月 26, 2023

ウィーン分離派(MWL BLOG 2020/4/10初稿)

カテゴリー: Philosophy, 開物成務

私はウィーン分離派を語れます。

ウィーン分離派とは19世紀末のウィーンで同時期に先にあったミュンヘン分離派(ユーゲント・シュティールの一つの集団、その後のベルリン分離派などにも影響)に影響を受けて結成された新進芸術家のグループのこと。総合芸術を志向していたところが特徴であります。あの著名な画家グスタフ・クリムトを中心にした世紀末芸術集団であります。新しい造形表現を追求しました。それぞれのドイツ、オーストリアの保守的な芸術家連盟から独立し分離するということでその名がある分離派。それが世紀末の代表的な造形運動につながっていく、驚くべきは現在も存在していることにある。つまり新世紀に向かった新しい造形運動の生まれということ。新しい生まれがそこにあった、新しくならざるをえないために新しいものが生まれる、生むということ。それは時代の必然、歴史的にもそれが繰り返している。

で、ウィーン分離派である、クリムトを中心ではあるが、私はヨーゼフ・ホフマンという建築家でありデザイナーに以前から興味を感じていました。40年ほど前からですかね。彼は家具デザインの秀作を残していて、現在も買うことができます。(昔の大塚家具にはあったのですが今はどうでしょう。)ヨーゼフは新世紀(20世紀)に入りウィーン工房を主宰しました。住宅、インテリア、家具をはじめ、宝飾品からドレス、日用品、本の装幀など、生活全般に関わる様々な分野でデザインを行いました。私が影響を受けたのはここであります。ドレスっていいでしょう、クリムトの絵なんてファッションよりもファッションしてますからね、まさに。単一ではなくて連鎖する総合的な造形デザイン(それは結果的に芸術ではなくてデザインそのものの定義を意味している)を指揮するというところです。それは日本で近い時期にあった吉田璋也さんや丸山太郎さんの考えに近いものがあり、イギリスにおけるデヴィッド・メラーさんもそうであります。単一のデザインではなく総合デザインを指揮するというところにあります。私、MWL STOREはその影響下にあります。

 ヨーゼフ・ホフマンの椅子、曲木工房のトーネットで製作されている。大きくなくて自然に空間に同居していて、本来優れたデザインというのはそういうもので、これは今も存在しています。
 世紀末芸術が今にもの残る、100年デザインとも思えないモダンさがある。マン・レイの写真などと同じレベルで、今の時代の先駆性などを遥、置き去りにする尖りがある、斜め読みでは到底理解などに届かない。遥だ。「遥」という一文字を愛する私。
私が東大寺の三月堂の仏像10体に狂喜乱舞する心に近い、造形なら世紀末のウィットマンの仕事、なんとも美しい造形なのだ。最も好きな家具工房WITT MANN社、名前からしてTとNを重ねているデザインとしての名称が極まっている。再度、なんともまぁ美しいデザインであるのだ、
 その歴史に影響を受けた、今の人たちの現在の作品。ウィット(ヴィット)・マン社 オーストリア・ウィーンの美しさよ。

写真は全てWITTMANN社のHPからの引用、今も日本でどこかから買えるはずです。内装には本当に良いものを使って欲しい。特にニューリッチの方々には。ウツワだけじゃ構成できないモノが大事なのです。

投稿日: 8月 16, 2023

昨日の夏休みな一日。

カテゴリー: 開物成務

高収益な会社の到達点は社会をまた豊かにする礎となって、SUSTAINすることを知っている。その典型。

久留米出身のゴムの企業。

 

↑ この子を見に来たのであります。写真撮影可のみ撮影。

企業家として尊敬するのは、石橋さんと、京都美術館を救った、稲盛さんであります。日本は世界レベルで見ても優れた美術館を擁する国家である。それが一点巨大というフランスでなくて、たくさん存在するからだ、ほんとに全国に多い、それぞれ地方の石橋さんであり稲盛さんみたいな人がおられたからだと言えます。

最近では、このアーティゾンの蒐集のセンス、鳥肌立つ瞬間がいくつもあった、長いことおりました。稀有であります。一品の逸品のセンス。腹落させます、夏休みにね。

投稿日: 8月 10, 2023

東大寺

カテゴリー: 開物成務

完全に東大寺にはまりました。完全です。三月堂です、二月じゃなくて。いやいや二月もすごいのですが。

この「街道をゆく」司馬さんの表現力の凄みのある凄さです。(これは書きかけの文章です、これから追加し増えていきます。)なんとか行きたいのです、三月堂にね。

 

でね、東大寺を色々調べているわけですよ。そしたらモデルの直樹さんのこんなに素晴らしい、東大寺を余すところなく表現した動画に出会いました。本人のかっこよさはもとより、東大寺の重要ポイントの映像描写がとても美しくて。世界最古の木造大型建築の美しさがあります。白洲正子さんがしきりに言っていた、奈良の魅力の、ようやく端緒(たんちょ)物語の初め に着こうとしている。

長い旅が始まります。またこの辺りで出会う作家さんもおられることでしょう。

とにかく僕は今、東大寺

いい感じですね、モデルさんもこの年齢にならないと出てこないもの、確実にありますね。人がいるから映像も映えるというものよ。

夏休みとって行くで。もう涼しくなるから。

男は黙って、奈良やな。

投稿日: 7月 18, 2023

月鉾保存会

カテゴリー: 開物成務

今年のフルセットをお届けいただいた。嬉しさがMAX お祭り男には。いつもありがとう存じます。

早速お店の棚を更新しました。今年もよろしくお願いします。お店の空気の流れが変わったように。。。

うさぎの絵が、飛翔です、うさちゃんは。うちも飛翔を祈念。
早速棚をかえさせていただいた。ムフフ。
頂点にある三日月のかっこよさが最高ですわ。

投稿日: 7月 13, 2023

A.C.PERCH’S

カテゴリー: 開物成務
コペンのストア

北欧デンマークのコペンハーゲンのエー・シー・パークス紅茶店。創業は1835年、経験は知見、歴史が味に出る。特にA.C.PERCH’Sの紅茶は、北欧らしく、「やさしさ」が前面に来るように感じます。

創業年を参考に調べてみました。マリアージュ 1854  ダマンフレール 1925 TWG 2008 一保堂 1717 なんとフォートナム・メイスンに至っては1707年。世界の100年以上続く商店のほとんどが集中して存続、存在する京都はさすがにさすがですが。

ただ歴史だけを言うのは本末顛倒であります。言いたいのは今にどれだけ優れたものを知見で残せているかということだと感じています。

美味しいお茶の具現は簡単ではありません。

投稿日: 5月 17, 2023

グロピウスについて

カテゴリー: DESIGN RESEARCH UNIT / MWL YOKOHAMA, 開物成務

 

上野リチ・リックス

ずいぶん昔のことですが、私がまだ W・W・(ウィーナア・ウェルク・シテッテ)[註:ウィーン工房]に居た頃ドイツ旅行の際に有名なワイマールのバウハウスに校長グロピウスを訪ねたことがあります。通された彼の室のカミーン[註:暖炉のこと]にフト目をやると何と私の作品の陶器が飾ってあるではありませんか。

“それは私の作ですが”と云うと

“そうでしたか、ライプチッヒのメッセで見かけて気に入ったので、W・W・の売店で求めたのです” とのことでした。当時、私はバウハウスは私共のW・W・とは全然違った傾向にあると考えて居たので、彼が w.w.の私の作品を愛玩して居るのを見ると意外でもあり、うれしくも思いました。良い面白いものは何でも好き嫌いしないという彼のやり方がここにも表われて居ると思います。

昨年ウィーンに居た時受取った主人からの手紙に、グロピウスが日本に来ていろいろ助言を与えられるとあったので、友人達はグロピウスが日本の立派な伝統芸術を近代化するのを見ることが出来るのは羨ましい次第だと大騒ぎをしましたし、恩師ホフマンも”それは素晴らしいことだ”と伝って居られました。

6月中旬に日本へ帰りまして、お目にかかった印象はゴシック時代のバウフェッテの老マイスターと広う感じでありました。

彼が中世紀に生きて居たらきっとゴシックの大伽藍のマイスターとして[建]築や形刻を可さどった事でしょう。

“日本はどうです”と尋ねたら

“私は寝られない程興奮しましたバウハウスで始めたノルム、正確な仕事、等々のあらゆるものは日本では昔からちゃんと出来て居たのでと答えた。

グロビウス会編「グロピウスと日本文化」国社、1956年、139-140頁

※巻末の「執筆者紹介」にリチの名前は掲載されていない。

投稿日: 4月 16, 2023

伏見稲荷大社

カテゴリー: 開物成務

先日お詣りした伏見さんから、新たな8年目のスタートから始まる無事の祈祷をお願いしたのが送られてきました。元町のお店づくりが始まったばかりですが、間に合いました。完成して置かせてもらいます。

投稿日: 4月 06, 2023

若葉さんのめでたい焼き

カテゴリー: リスペクト, 開物成務

今宵の良き夜、わかばさんのたい焼きと呑む、MWL オリジナル煎茶 ”ハイカラ” この港町から遠く世界へ出て行ったであろう、日本諸国の産地のお茶を想って、創っています。玉露、煎茶、抹茶の合組による、日本煎茶本来の持つうまさが極まる。ほんとうに美味しいハイカラさん。そして四谷見附の若葉町にあるから”わかば” リスペクトの老舗

投稿日: 1月 28, 2023

とこなめのきゅうす

カテゴリー: 和魂洋才, 私が選ぶスタンダード, 街物語, 開物成務

僕らは常滑の急須を推す、まず第一に。それはこの店が始まって間もない頃、まだお客さまもそんなに多くはない頃に、この常滑の産地の方々から提供されている急須によって、お客さまが増えて行ったからです。恩義があるのです。僕らはそれをずっとわすれたことはありません。

何よりも常滑の人たちはみなさんあたかかい、これほど産地全体でそれを感じることはありません。急須というものを中心にして、それがよくなることに一生懸命であることを感じます。

だから、大和茶、出雲茶、伊勢茶とともに常滑の急須はうちにとって絶対の必須条件、それはこの店のある限り変わることはありません。それらはすべて、ほんとうにすぐれているほんものだからです。

写真の急須たちは完売