投稿日: 6月 17, 2023

そらまめ

カテゴリー: DESIGN RESEARCH UNIT / MWL YOKOHAMA, Think.

「上野リチ」のそらまめ、オーストリアの人が日本人の建築家と結婚して日本名に、ヨーゼフ・ホフマンに見出された才能の二人が出会った。そして名前が上野リチになった。

京都の京セラ美術館には膨大な上野リチ関連が眠る、これから出てくる。

今年秋、ヴィェナでも大きく回顧展がフィーチャーされる、世界が上野リチに注目する日がやってくる。去年の三菱での展示はほんとうによかった、もう一度見たいぐらいだ、ま、京セラでほどなくするでしょう。今年はそれらがオーストリアに行きますけどね。

かわいいものがお好きなんですねってよく言われますが、違うんですよ。クリエイティヴィティーの本質を見ているんですよ、どの「カワイイ」にも、そんな単純なものうちには一点たりともありませんから。

見る側にも勉強がいると思って提案しています。だから聞いてほしいのです。

全てはものすごく時間をかけて、大事に目利きの目を通過してきています。理論においてもね。

理論形成なきクリエイティヴなど存在しないと思っている。つまり成功しないと。成功とは何と言われると評価だと即座に応える。

上野リチの評価など、長く眠っていて、正にこれから評価が始まるのだから。だれが見つけて、そこに白羽の矢をあてたかになる。

投稿日: 6月 17, 2023

Trusted resource for Mid Century Modern design.

カテゴリー: DESIGN RESEARCH UNIT / MWL YOKOHAMA

スタイルのある暮らしを、日本にない手本は世界にいくらでもある。どれだけたくさんの物件を経験し、見て来たかにある。知見という視点の集積回路をもっているか否か。LIKE NO OTHERの旅、センスのいい人に仕事は依頼しよう。

 
 
 
 
 

投稿日: 6月 14, 2023

最近読んだもの。

カテゴリー: DESIGN RESEARCH UNIT / MWL YOKOHAMA

本を読まんようになったら終わりやと、自分に言い聞かせています。最近ではこれ、原田マハさんの視点がおもしろい。彼女の言葉からは美術というものを歴史体系的に学べます。なんと言ってもリーチ先生が最高傑作です。あれを映画にする人が居ないのは悲しいな。

本を読むのは自分の思い込み、間違っている処を修正するために、間違いだらけだから、そう思っていていいよ、自分のファイルなんてのは、だからたくさんの知見で修正とリベラル化させる。歳行けば行くほど、変われないから、そんなことなどないのに、きっと、自分はそう思っています。

投稿日: 6月 07, 2023

Lyle’s London

カテゴリー: DESIGN RESEARCH UNIT / MWL YOKOHAMA

イーストエンドのショーディッチ・ハイ・ハイストリートにあるレストラン Lyle’s London 

ロンドンにおける根城だったACE HOTELのすぐ近くにあって、Lyle’s に初めて行ったのは2018年だったように思う。このあたりは若くて、活気に溢れ、レベルの高い内容の料理を出すところが多く、ロンドンの料理がうまいという一つの時代を作り始めたところと言える。

ロンドンのACEはコロナの影響を受けて一旦廃業している、多分そう長くない時期に再出店するだろうと思われる

これはLyle’s のThe Guest Series というシェフを詔勅するプログラムの一つ、私たちで言う個展ですね。優れたシェフはアーティスト、優れた人は人柄にも魅力がある。私たちはクリエイター側のディレクター。誰を何月に招聘して、優れた店頭を作り続ける脈絡のあるディレクションが大事で、個人作家さんであり、はたまたブランドさんですね。それは誰にでもできることでは当然ないので。don’t worry don’t hurry take it easyの精神でね。

で、Lyle’s この6月7日、8日はMARIE VICTORINE MANOAさんで、ご覧のように料理がとても美しい、若く美しい料理人です。

これを作ってみようと思う、日本も同じような季節だから、今なら揃う。
MARIE VICTORINE MANOA ゲストシェフ

Lyle’sは優れた、世界の50のレストランに選ばれています。

世界を注視していよう。

MWL STORE CREATIVE 

投稿日: 5月 18, 2023

上野リチ

カテゴリー: DESIGN RESEARCH UNIT / MWL YOKOHAMA

私は図案を制作するに当って、

自然の花鳥を見てもその形のみに止らずして、その香り、日光、風の動き等の感じをも取入れて想像し、創作いたします。例えばすみれを描く場合に、すみれの香水を嗅ぐ事によって、すみれの花束を見つつ描くよりもよりよい暗示を得ます。花にしても、盛りの最中よりも、歯とか、散り際とか、散ったあと等の方がより深い暗示を与えます。単なる写実ではなく幻想し、創作するということが重要な事です。

「欧州図案家の生活」『眞美』9巻2号、買美會、1932年6月

上野リチ、左。右は旦那さん、夫の上野伊三郎、ホフマン派の建築家、ウィーン工房で出会い、意気投合、やがて結婚。リチさんは京都で晩年を過ごし生涯を終えている。とにかく二人ともお洒落である、アウトプットがいい。この当時にこんな格好ができるのだから。伊三郎はブルーノ・タウトによる「日本美の再発見」の鍵を握る人物でもあった。宮大工の家に生まれた造形派の生粋の京都人。伊三郎はリチの最大最高の理解者であり支援者であった。

投稿日: 5月 17, 2023

グロピウスについて

カテゴリー: DESIGN RESEARCH UNIT / MWL YOKOHAMA, 開物成務

 

上野リチ・リックス

ずいぶん昔のことですが、私がまだ W・W・(ウィーナア・ウェルク・シテッテ)[註:ウィーン工房]に居た頃ドイツ旅行の際に有名なワイマールのバウハウスに校長グロピウスを訪ねたことがあります。通された彼の室のカミーン[註:暖炉のこと]にフト目をやると何と私の作品の陶器が飾ってあるではありませんか。

“それは私の作ですが”と云うと

“そうでしたか、ライプチッヒのメッセで見かけて気に入ったので、W・W・の売店で求めたのです” とのことでした。当時、私はバウハウスは私共のW・W・とは全然違った傾向にあると考えて居たので、彼が w.w.の私の作品を愛玩して居るのを見ると意外でもあり、うれしくも思いました。良い面白いものは何でも好き嫌いしないという彼のやり方がここにも表われて居ると思います。

昨年ウィーンに居た時受取った主人からの手紙に、グロピウスが日本に来ていろいろ助言を与えられるとあったので、友人達はグロピウスが日本の立派な伝統芸術を近代化するのを見ることが出来るのは羨ましい次第だと大騒ぎをしましたし、恩師ホフマンも”それは素晴らしいことだ”と伝って居られました。

6月中旬に日本へ帰りまして、お目にかかった印象はゴシック時代のバウフェッテの老マイスターと広う感じでありました。

彼が中世紀に生きて居たらきっとゴシックの大伽藍のマイスターとして[建]築や形刻を可さどった事でしょう。

“日本はどうです”と尋ねたら

“私は寝られない程興奮しましたバウハウスで始めたノルム、正確な仕事、等々のあらゆるものは日本では昔からちゃんと出来て居たのでと答えた。

グロビウス会編「グロピウスと日本文化」国社、1956年、139-140頁

※巻末の「執筆者紹介」にリチの名前は掲載されていない。