今回のフィーチャー作の二点目は「錆千筋・さびせんすじ」九州のここら辺の特徴的手法、サビがついたような表情の色つけをいいます。森さんはモダンにサビを施した最初の人。なんと1960年の初回制作にあたります。モダニズムの時代の始まりを予感させる。「クラッシック バット モダン」な表情を得意とする森正洋の作風がすでに確立されていたような作品。これが出た4年後に東京オリンピックだったと思うと、その時代の新しい息吹が、活気が、あふれていた日本が想像できますね。これを今の時代に購入できるということはすごいことですよ、白山陶器の企業努力と心意気を感じさせます。それぐらいにこの作品は貴重です。「モダニズムの礎」です。この美しい日常性のあるデザイン、これを良いとする視点が今また欲しい、受け取り手には、そのように重要だとデザインを見ていて思うのです。千段彫の模様に錆染付けを施した「錆千筋」シリーズです。1960年に森作品としてグッドデザイン賞をも受賞した製品です。
美しいモダニズムの時代の始まりを予感させた作品シリーズ、それが「錆千段」、今見るとこのベージュに乗ったブラウンの錆がいいですね、これ細いから入れるの大変でしょ。白山の技術、なのに価格は中庸のプレミアム、他にありません。これが始まりです。森正洋はいろんなことを学んで(例えば、一つとして北欧デザインとか、その他世界のいろんなデザインを見て)これを生んでいます。今みたいにデザインが溢れていた時代ではなくて、それこそ古いものしかなかった、日本にはね、そんな時代に出てきているのです。そこが松銀さんなどが今も大事にされている理由ですよ、きっとね。
MWL STORE で実際に見て、触って、その価格を感じて、強さ(強度としての強さとデザインとしての強さを言う)を感じて、是非、新しい時代に買い替えてください。どれでもいいはずはないし、買うべき時期がありますね。モノには。
いいなぁ、実に美しい。美しいものが美しい。