波濤(はとう)と読む、いわゆる波のようす、涼し気な”青磁”である。茶托(ちゃたく・皿)は青磁、茶杯は白磁。上が白で下がグリーン・ブルーという言い方が近い。そして形は、日本人が北斎の昔から好む波、波濤。
茶托の青磁は「砧青磁・きぬたせいじ」のような色、透明感のある淡い青色。中国で古くから作られている青磁を思わせるような青白く高貴な色は、心を鎮めてくれる。光の当たり方によって変化する微細な色合いは、飽きることのない眺めだとも。
カップは白磁、つまり白で皿の青磁からカップに映りこむ、あたかも青磁のような「青い」情景が、いとおかしきものなり。青は始まりの色。ここを起点に行くのだ。
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