「継続性に由来する」
8年前に石川町に店を出す時に、商品を考える前に第一に決めたことは、VITSOEの壁什器だった。デザインということもあるのだが、その壊れない、室内で使う限りに於いて、朽ちないものであること、そして鉄ということで、溶かせば再生できる、継続性がある。つまりサステナビリティが選んだ主題にあった。それは、それまでに沢山の内装の編集にも関わり、数年で作っては壊し、新しいものにするためにゴミとなる什器の存在が悲しかったからだ。そんなこともあって、過去には北の住まい設計社に数店の店舗の内装の什器の全てを作ってもらったこともあった、まだ旭川にスポットが当たっていなかった頃のこと、今とは環境が全然違う、けれど、北の住まいさんだけが旭川で僕の目には光輝いていた。そんな素敵な内装の店も定期改装の影響で今やもうない。あの素晴らしい家具を捨てたのかと思うと虚しく悲しかった、そういう意味で、より普遍にサスティナに存在続けれるVITSOEがいいなと思うに至る8年前の自分がいた。
そして壁にはベンジャミン・ムーアのペンキ、これにこだわった、環境にやさしいからだ。調べるとすぐ出ます、今や。湘南の戸建てのペンキとして人気が出ましたから。自分で塗るに意味があると、コストじゃなくて、自分で塗ることの意味。
そしてそこに展示する作家は、薪窯で、燃料は廃材を燃焼に利用する、新たな木を切らない、ゴミとして燃焼するのにまたCO2を出す、廃材を、陶磁器の生産の燃料として回して、そこを再生燃料として使う、いわゆるLCA(ライフサイクルアセスメント)ライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)に合致する、陶磁器、創(づく)り、ここでも作りじゃなくて創り。を既に行っていた、舞鶴の「真泥・マデイ」さんにお声がけして、棚に並べた、これで棚は全て、ペンキも含めてサスティビリティーの環境が整うと思ったからの内装計画にしたのだ。それがもう8年も前のことになる。