スパイラルカフェのアイス・ラテマキアートが好きだ。打ち合わせがある場合「ここのこれ」を目指してこれを飲む。槙文彦(まきふみひこ)さんの設計の名建築で、京都の企業ワコールが関連するからでもある、それも使う理由だ。そしてこのビルのテナントにも意思があるからで、青山一番の一等地でビルの中身上から下までを含めて文化を発信している、周辺一番のビルだと、私は思う。さすがワコールである。同じように感じるビルにはもう一つ、飯倉(六本木というよりも飯倉だ、文化的にそういうニュアンスのある微妙な場所だ)にあるアクシスビル、ここもそうで、ここはブリジストンの所有する建物であり、スパイラルビルのフェミニンに対して、アクシスビルはマスキュリンだ、どちらもそれぞれのビルの所有企業の関連する業態事業の雑貨&ライフスタイルストアを擁する、スパイラルマーケットとリヴィングモチーフだ。特徴もフェミニンとマスキュリン、スパイラルマーケットのフェミニンは言わずもがなワコールの思想から延長線上に想像できるし、対し、リヴィングモチーフの特徴は、所有がブリジストンであり、その二階の品揃えの「豊な男の書斎」提案のマスキュリンな小物から家具、地下の家具、一階のガーデンテラス・キッチンの提案などもそうである。そしてキッチン・リヴィング小物もツールなどマスキュリン視点の優れた道具が多い。クルマ関連の企業が所有する提案だからこうなるし、確かな顧客もついていらっしゃるから、スパイラルビル同様に素晴らしい。この2店舗に匹敵するリビング系のショップは世界を見回しても、パリのメルシーかバルセロナのヴィンソン(2015年に74年の歴史をもって閉業している)ぐらいだろうと私は思う、どの地においても百貨店が太刀打ちできなかった個店であると思う。そしてそれぞれが文化のある都市の特別なエリアに生まれているし、その役割は大きい。母体となる企業の理解は大きい、というよりもそれがこそ大企業が発する文化の醸成だと思える。フェミニンとマスキュリン