iQ Light は素晴らしかった。

テールランプの一直線、ドイツ始まりの世界的流行なテールデザインで、各社が採用しているが、ゴルフはさらにフロントにも持ってきた。一本線のフロントライト。どう光らせるかがアウトプットデザインの主力であり、魅力になっている。各社が競う部分である。このクルマが背後に着くと結構な目ヂカラである。
片側だけで22個のLEDライトが搭載され、デジタルで自動制御する。それが全て独立した動きの照射をする。鷹のような鋭い目つき、これが明るい。ただ明るいというのが最近の今までの高級車の傾向だったが、つまりなんとなく眩しいなあの車である。。。しかし、それらの今までを踏まえて、これはデジタルを駆使した、他車を邪魔しない明るさが自動で複雑に調光される技術、今のところはドイツ車が先端にある。それは安全に直結する。でもその基礎の光の技術は日本のメーカーからの提供されていたりしているのだが。それも面白い。光センサーの話である。日本の技術も高いのである。ただし基礎に限る。

単にハイビーム、ロービームの自動切り替えだけならすでに存在していたのだが、このLED マトリックスヘッドライト技術においてはドイツ車がかなり先行している。日本には道交法の複雑な法律があり簡単にはいかないジャンルである。それも今までの段階においてはアウディなどの高級車に搭載される先進な技術だったのが、コンパクトカーの大衆車ゴルフ8にはそのジャンルにおいて真っ先に搭載された。中庸のプレミアムと言われるゆえんだと理解する。

カメラ画像やセンサー情報を利用して、自動的にハイビーム/ロービームの切り替えを行ったり、対向車・先行車、歩行者だけを避けた配光(最初は当てて運転者に歩行者の存在を視認させておいて、すぐに外す)を作ったり、進行方向に自動的に配光エリアを広げたりが可能になっている。これが書けば、一行だが体験価値では目からウロコな内容である、それほどハイ・ロービームの切り替えや、標識だけを狙ったスポット照射、右車線から追い越していった車への照射部分の自動軽減、歩行者に眩しくない車、などなど、とにかくデジタルを駆使したかなり細かいライトセッティングである。

例えば高速での夜間、標識の視認は見づらい、特に日本、「表示が欧米に比べかなり小さい」、「ライトが着いていない標識」、SAやPAの案内版は次の出口までの距離などの重要な表示のことである。音楽やラジオを聴いていたりすると人間の感覚的にナビの案内はあてにできない、スルーする可能性がある、から目から情報が大事なのです。暗くて気づいた時には見逃すことが多い夜間、特に雨の日などはその状況は良くない条件となる。それがこのライトはかなり手前からその案内板だけをライト照射しているたくさんのライトの中のそれぞれ一つが存在するので、右の表示も左の表示も、大体案内板はリフレクターつまり蛍光板になっているので、少し光が当たるだけでも発光して見やすくなる、これが驚きだった。光の照射がある、光の照射がない、ではかなり見やすさが違うのだ。これは長距離ドライブの目の疲れ、「体の疲労の入口としての目の疲れの軽減」に直結するのだ。ここをレポする自動車評論家は少ない、1時間の試乗じゃ何もわからん、表面的なことしか。

この技術の優れたところを夜間の長距離で実感した。疲れないのである、目が。夜間の長距離ドライブは車の量が少ないこと、渋滞がない、時間の予定配分が次の日取りやすい、荷物、長い日程のものを持っていけるということでのメリットがありながらも、人間の本来の行動パターンの昼と夜の逆転ということや、暗がりを走るということ、それも長距離ということで目には大いに負担をかけてしまうことになるのだが。その負担がまた大いに軽減されるということ、それは安全性にかなり直結するということであるのだよ。先進技術がもたらす人の安全への貢献のことだよね。

これまでのクルマでは見えなかったところ、照射できなかったエリアを見やすくし、安全性を向上させるのはもちろん、周囲に自車の存在を気づかせる、自車の操作や挙動を知らしめる機能もある。一種のコミュニケーション機能といってよいだろう。たとえば、隣車線から自分の車線に配光が広がってきたら車線変更をしようとしている合図にもなる。簡単な文字や記号を路面に投影できれば、横断歩行者に合図やガイダンスを与えることができる。

自動車運転の安全には目がとても重要なのである、それを大いには宣伝せずにしれっと技術の先端にある、GOLF8なのであります。

VW好き、中でもゴルフ、ゴルフ乗りが語るものです、あくまでも個人の主観の範囲です、ものには必ず諸説ありますのでお含みおきをお願いします。