仁さんの急須のセット

愛知県の下の方、知多半島の田んぼには滑(なめ)らかで滑(すべ)らかな、陶器に適した粘土の土壌がありました。周りを海に囲まれた土地はさらに藻掛けという、海藻を巻き付けて、焼き上げて模様を出す手法の発見にもつながり、他の日本の中国地方の六古窯に見られる、緋(火)襷(ひだすき)という手法にも似たものです。言わば一番常滑らしい、風土が反映されているのがこの藻掛けという、常滑ならではのものだと思います。土は白泥(はくでい)を使用しています。朱泥、紫泥、鳥泥(うでい)とある土の中の、一つが白泥です。仁さんはよく使われています。茶こしは陶製茶漉しを採用しています。つまり自分で手造りです。仁さんの長い作家人生の集大成がこの急須に表れています。小さい急須だけれど、しっかりした存在感と佇まい、形があります。僕はこのセットがとても好きです。正直、急須展の間中に残っているのが不思議で仕方ないものです。

谷川 仁

サイズ:高さ:約80mm 最大長:約110mm φ 約95mm 容量:約130cc 価格:13,200円 税込

茶杯:一個2,200円 税込

お盆は「盤プロジェクト」の陶器製の折敷であり、お皿としても可 サイズ:約Φ 24cm 価格:6,600円

写真は光により影響うけますから、この色が一番現物に近いですかね。美しいセットです。玉露でどうぞ。
一個一個が気の遠くなるくらいの手造りで美しい形状の陶製茶漉し。蓋と本体のすり合わせも絶妙です。指先の芸術
焼き方によって、茶杯とは色が少し濃淡しています。急須の方がグレーっぽく、金色っぽい藻掛けの表情、
口先の付け根、底の表情など、息を呑んでしまいます。
盤プロジェクトは今回とても人気がありました。新しい発見をしていただいた方が多数おられました。とても嬉しいです。