Folk
4月 02, 2022
Folk
19歳の私にとって五木寛之の小説は決定的で、それに出てきた六気筒のBMWにずっと憧れていた。そのず~っと後、そんな六発のシルキーシックスにその後2代8年乗った。BMWが創ったクルマには都合16年乗ったが、その間にBMWのバイクにも乗った。このエンジンが横に出たRというタイプだった。最初は乗りにくいものだと思ったエンジンの特性もそんなにスムーズでもなくて、でも乗り続けると何でもがそうであるように愛着となって、自分を虜にしたのだ。北海道を一周したのもそれだった。
五木寛之はBMW好きな時代があって短編の小説がいくつかあって、怖い短編:サムワン・トゥ・ウォッチ・オーバー・ミー 1987年のものであるが珠玉なものだった。318とそれから新しくなった320の六発の話が出てくる。それをさらに遡って、わが憎しみのイカロスというのが19歳の自分がBMWに出会った小説でこれも内容が衝撃的だった。2000CSクーペが出てくる話、ここでBMWなら六発が決定的になったのだった。決定的にこれを見て、BMWが欲しくなった19歳の自分だった。
そんな五木さんのこんな言葉が好きだ。
「かつては物の向こう側にあるカルチャーに憧れていた」
深い言葉だ。煩悩の定義だ、自分はまだ煩悩の中にいる。