ウィーン分離派(MWL BLOG 2020/4/10初稿)

私はウィーン分離派を語れます。

ウィーン分離派とは19世紀末のウィーンで同時期に先にあったミュンヘン分離派(ユーゲント・シュティールの一つの集団、その後のベルリン分離派などにも影響)に影響を受けて結成された新進芸術家のグループのこと。総合芸術を志向していたところが特徴であります。あの著名な画家グスタフ・クリムトを中心にした世紀末芸術集団であります。新しい造形表現を追求しました。それぞれのドイツ、オーストリアの保守的な芸術家連盟から独立し分離するということでその名がある分離派。それが世紀末の代表的な造形運動につながっていく、驚くべきは現在も存在していることにある。つまり新世紀に向かった新しい造形運動の生まれということ。新しい生まれがそこにあった、新しくならざるをえないために新しいものが生まれる、生むということ。それは時代の必然、歴史的にもそれが繰り返している。

で、ウィーン分離派である、クリムトを中心ではあるが、私はヨーゼフ・ホフマンという建築家でありデザイナーに以前から興味を感じていました。40年ほど前からですかね。彼は家具デザインの秀作を残していて、現在も買うことができます。(昔の大塚家具にはあったのですが今はどうでしょう。)ヨーゼフは新世紀(20世紀)に入りウィーン工房を主宰しました。住宅、インテリア、家具をはじめ、宝飾品からドレス、日用品、本の装幀など、生活全般に関わる様々な分野でデザインを行いました。私が影響を受けたのはここであります。ドレスっていいでしょう、クリムトの絵なんてファッションよりもファッションしてますからね、まさに。単一ではなくて連鎖する総合的な造形デザイン(それは結果的に芸術ではなくてデザインそのものの定義を意味している)を指揮するというところです。それは日本で近い時期にあった吉田璋也さんや丸山太郎さんの考えに近いものがあり、イギリスにおけるデヴィッド・メラーさんもそうであります。単一のデザインではなく総合デザインを指揮するというところにあります。私、MWL STOREはその影響下にあります。

 ヨーゼフ・ホフマンの椅子、曲木工房のトーネットで製作されている。大きくなくて自然に空間に同居していて、本来優れたデザインというのはそういうもので、これは今も存在しています。
 世紀末芸術が今にもの残る、100年デザインとも思えないモダンさがある。マン・レイの写真などと同じレベルで、今の時代の先駆性などを遥、置き去りにする尖りがある、斜め読みでは到底理解などに届かない。遥だ。「遥」という一文字を愛する私。
私が東大寺の三月堂の仏像10体に狂喜乱舞する心に近い、造形なら世紀末のウィットマンの仕事、なんとも美しい造形なのだ。最も好きな家具工房WITT MANN社、名前からしてTとNを重ねているデザインとしての名称が極まっている。再度、なんともまぁ美しいデザインであるのだ、
 その歴史に影響を受けた、今の人たちの現在の作品。ウィット(ヴィット)・マン社 オーストリア・ウィーンの美しさよ。

写真は全てWITTMANN社のHPからの引用、今も日本でどこかから買えるはずです。内装には本当に良いものを使って欲しい。特にニューリッチの方々には。ウツワだけじゃ構成できないモノが大事なのです。