Posted on 9月 06, 2020

小津安二郎・小早川家の秋

Posted in Liberal Arts
出てくる着物の柄のどれも素晴らしいことか、小津映画のどれもそうですが。小津先生はずっとお母さまと暮らしていて、結局結婚されずに生涯を過ごした。その母からの影響の大きさが、映画の中の小物道具、着物とか全てに出てくる。そして洋服のセンスの良さが。監督が全てを仕切らないと結局自分の映画にはならない。ディレクターという仕事は全てそう。松竹の小津監督が東宝からの依頼を受けて東宝でメガホンをとった、宝塚映画での作品。東宝の名だたるスターと松竹のスターが揃ったという、小津監督ならではの映画だった。配役の中でも長女役の新珠三千代さんが好きだ、とてもモダンな顔をされている、当時としては。そして芝居が自然だ、言葉だとか、本当の親子のような掛け合いになっている、小津映画は比較的、パンパンとした乾燥した掛け合いの言葉が多いのだが、この映画は違う、新珠三千代さんはその後の細うで繁盛記というテレビ番組での圧倒した存在感につながっていく、その片鱗をこの映画ですでに魅せている。宝塚歌劇出身の人、座っても立っても背中に一本入っているような基本があるように見える。そしてやはり中村鴈治郎さんだろう、もううますぎる、役が、本当に親父だ、新珠三千代さんとの掛け合いが最高。さすがの東宝のスターたち、森繁さんすら影が薄くなんか場違いな感じが否めないから不思議だ。