どうもわたくし「あかり」好きなようで、まずは蛍のようなつたないひかりに惹かれます。そして月ですよね、こうこうとしたのではなく満月に少し欠けるぐらいのような、まだこれからってところがいいなとか。そして部屋に吊るす揺らいでるガラスのランプですね。ランプなのにずっと見てられるのですなんかね、草ちゃんのランプの「あかり」が好きなのもきっとそんな延長線上にあるのでしょう、きっとね。

蛍前線が北上しています日本全国で、7月下旬まで続きます。
蛍に会いに行きましょう。(今は身近な処に居てくれればですけどね)

春はあけぼの。
やうやう白くなりゆく山ぎは、
少しあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

夏は夜。
月のころはさらなり。
やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、
ほのかにうち光りて行くもをかし。
雨など降るもをかし。

清少納言(996-1025)は平安時代中期の日本の歌人、が著した「枕草子」
春はあけぼの、、、で始まる、夏のくだりが「蛍」

千年の昔から日本人の日常の感受性のそばにいた蛍
季節の美しさの象徴の「夏」を清少納言が歌いました。

蛍はとても繊細な昆虫です。源氏ボタルに平家ボタル。
水、土、植物、それらが美しい環境でなければ生きてはいけないのです。
幼虫の頃は川や田んぼの貝を餌とします。日本にだけしか生息しない源氏ボタルの幼虫はカワニナという貝だけを食べて育ちます。その貝が生きている環境がなければならない。そして成虫になる前には土に入りさなぎになる、その土も汚染されていてはだめなのです。つまり、蛍が育つ環境は幾つもの段階で田んぼや河川、土壌が汚染されていない証とも言えて、健全な環境のバロメータになります。
お茶などが生育する環境周辺で見られるのはその環境が健全である証拠なのです。

三重県度会郡大紀町の祝詞川(のりとがわ)周辺では例年なら6月にはホタルまつりが行われています。が、今年も情報はありません、難しいことだとは思います。時期が来てまた行われること期待しています。

度会(わたらい)のお茶がある環境はそういうあたりまえでなんでもない日常が、いにしえの昔からあります。
お茶が美味しいはずなのです。

闇の途中で、やっと気づいた、すぐに消えそうで、悲しいほどささやかな光。